生涯“打倒巨人”星野仙一氏が殿堂入り!

2017年1月17日5時50分  スポーツ報知
  • 恩師の島岡吉郎氏のレリーフに手をかざし笑顔を見せる星野氏

 今年の野球殿堂入りが16日、都内の野球殿堂博物館で発表され、プレーヤー表彰で西武黄金時代の捕手として活躍したロッテの伊東勤監督(54)、エキスパート表彰では、監督として3球団でリーグ優勝した星野仙一氏(69)と元大洋のエース・平松政次氏(69)が選出された。

 エキスパート表彰が制定された2008年から候補者だった星野氏。楽天監督時代(11~14年)は除外されたが、15年に再び候補者となってから3度目の投票での選出に「あと1週間で70歳になる。これだけ長く野球界に携われることに、本当に感謝したい」と、静かな口調で喜びを語った。

 通算146勝。指揮官として中日、阪神、楽天を率いてリーグ優勝4度、日本一1度に輝いた。3球団でリーグ制覇したのはほかに三原脩(巨人、西鉄、大洋)、西本幸雄(大毎、阪急、近鉄)だけだ。マウンドでは闘志をむき出しにして打者に立ち向かった。「闘将」と呼ばれた強烈なリーダーシップ。球界への厳しい提言も含め常に話題を提供し続けた。それらすべてを評価されての殿堂入りだ。

 根底にあるのは「打倒巨人」の熱い魂。表彰式でスピーチした明大、中日の大先輩・杉下茂氏(91)がエピソードを明かす。「(巨人のV10を阻止した74年)リーグ優勝のビールかけで、彼は『日本シリーズは邪魔や! オレは巨人に勝ったんだからもういい』と言った」。同年のシリーズはロッテに敗れ、その後も監督として3度(うち1度は阪神)、日本シリーズで苦杯を喫した。「巨人にさえ勝てばいい、というのがあったんじゃないかなぁ」。対巨人戦は通算35勝31敗(3完封)で勝ち越し。星野氏が誇る勲章だ。

 大先輩の指摘に星野氏は「(74年は)もっと真剣にやっとけばよかった」と苦笑い。それでも「打倒巨人」は楽天監督として臨んだ13年の日本シリーズで成就した。「あの時は『巨人よ出てきてくれ』と思った。他の相手だったら70%くらいしか力が出なかったな」と、生涯唯一の日本一を懐かしそうに振り返った。

 現在は楽天球団副会長としてチーム強化に力を注ぐが「勝った負けただけじゃなく、これからは野球界全体のことを考えていかないと。もっともっと底辺を広げたい。野球界がひとつにならないと大変なことになる」。少年野球の競技人口減少に歯止めをかけるなど、プロアマが一体となった球界振興へ取り組み、熱い闘志はまだまだ燃えさかっている。(星野 和明)

 ◆星野 仙一(ほしの・せんいち)1947年1月22日、岡山県生まれ。倉敷商―明大から68年ドラフト1位で中日入り。右の本格派として74年には先発、リリーフ兼任で15勝9敗10セーブの好成績を挙げてリーグ優勝に貢献するなど、現役14年間で通算146勝121敗34セーブ。引退後は中日、阪神、楽天で監督を務め、リーグ優勝4度(日本シリーズ優勝1度)。監督通算成績は1181勝1043敗53分け。現楽天球団副会長。右投右打。

  • 楽天SocialNewsに投稿!
プロ野球
今日のスポーツ報知(東京版)