トランプ陣営と安保対話、韓国政府は「いいお客さん」アピール

3.5兆円でも足りない? 
韓国は米国の武器輸出先トップ

 韓国政府は米トランプ政権発足を控え、安全保障分野の主要ポストに内定したトランプ政権側関係者と集中的に会見する際、金銭面の話にかなりの時間を割いているという。実業家出身のトランプ氏が在韓米軍の駐留など韓米同盟自体を経済的な観点で見ていることと関連し、韓米同盟が米国に安全保障だけでなく、経済的に合理的な選択であることを強調するためだ。

 韓国政府関係者は15日、昨年11月から最近まで大統領府(青瓦台)の金寛鎮(キム・グァンジン)国家安全保障室長、趙太庸(チョ・テヨン)国家安全保障室第1次長、外交部(省に相当)の林聖男(イム・ソンナム)第1次官、安総基(アン・チョンギ)第2次官、国防部のリュ・ジェスン国防政策室長など外交・安全保障分野の高官が訪米するたびに、次期安全保障担当大統領補佐官になるマイケル・フリン元国防情報局長らと会い、トランプ政権の視線に合わせた「カネにはカネ」の論理で韓国政府の立場を説明していることを明らかにした。

 韓国政府は「韓国の国内総生産(GDP)に対する在韓米軍の駐留費用分担金は日本やドイツに劣らない」という主張だけではトランプ政権を説得する上で限界があると判断し、国防部を軸に追加的な論理を組み立てている。うち「韓国は米国製武器を最も多く輸入する国であり、今後もそうであり続ける」という論理が最も説得力を持つと判断しているもようだ。

 国防部と防衛事業庁によると、防衛事業庁の開庁(2006年)以来昨年10月までに韓国が導入した米国製武器は総額36兆360億ウォン(約3兆5100億円)相当で世界最多だ。国防技術品質院が発行した「2016世界防衛産業年鑑」によると、韓国は06年から15年にかけ、米国の武器輸出先でトップだった。2-5位はアラブ首長国連邦(UAE)、オーストラリア、サウジアラビア、日本となっている。F35A戦闘機40機(約7兆4000億ウォン)、グローバルホーク4機(約1兆3000億ウォン)など現在進行中の武器導入事業で今後米国に支払われる代金も10兆ウォンを超える。

 平沢米軍基地の造成にも韓国政府は8兆9000億ウォンを負担する。同基地は全世界の米軍基地で単一の基地としては最大規模(1467万7000平方メートル)で、造成費用は17兆1000億ウォンかかる。韓国国防研究院出身の朴元坤(パク・ウォンゴン)韓東大教授は「平沢基地は最新の施設を備えた米国の北東アジアにおける拠点基地であり、多目的活用が可能だ。こうした基地を米本土に米国の資金だけで建設することは戦略的効率性が劣るのみならず、コストもかさむ」と指摘した。

李竜洙(イ・ヨンス)記者
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