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岐阜

拡大防止へ県職員懸命作業 山県鳥インフル

殺処分した鶏を詰めた袋を穴に埋める作業をする県職員ら=山県市大桑で(県提供)

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 山県市の養鶏場で鳥インフルエンザの発生が確認されてから三日目の十六日も、県は現場で感染拡大を防ぐための作業に追われた。岐阜市では鳥を飼育している公園で、一部区域が立ち入り禁止になった。金融機関などは、被害を受けた養鶏業者らへの相談窓口を設置した。

 県職員らはこの日未明までに、約七万八千羽の殺処分を全て終えた。処分した鶏や鶏ふん、卵などを八百個の袋に詰め、鶏舎近くに掘った穴(幅八メートル、長さ六十メートル、深さ五メートル)に順次、埋めていった。ところが穴の底から地下水がわき出て、法面(のりめん)が崩れるトラブルが発生。ひとまずこの穴を埋め戻した上で、新たな穴を掘り直すなどの対応に迫られた。

防護服を着用する県職員ら=山県市の富岡公民館で(県提供)

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 鶏が食べ残した餌や卵を袋詰めした県職員の男性(49)は「ウイルスに感染していない鶏や卵もあったはずで全て処分するのは、忍びなかった」と話す。別の男性職員(51)も「自分もそうだが、白い防護服を着た人ばかりで異様な光景だった。卵を捨てるのは仕方がないが、出荷できない生産者が気の毒だ」。鶏舎に消石灰をまいて消毒した男性職員(51)は「みんな黙々と作業していた」と言葉少なで疲れた様子だった。

◆県内の金融機関、相談窓口を設置

 県内の金融機関などは十六日、養鶏農家らに対する相談窓口を設置した=表。

 十六銀行(岐阜市)と大垣共立銀行(大垣市)、岐阜信用金庫(岐阜市)は、直接的、または間接的に被害を受けた企業や個人事業主らを支援するための新たな融資制度を設けた

 (小倉貞俊、近藤統義、北村剛史、鈴木凛平)

 

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