韓国の旧正月、青天井の生活物価が家計直撃

■家計所得は伸び悩み

 このように物価が上昇する中、家計所得は伸び悩んでいる。全国の家計の可処分所得は伸び率が昨年第3四半期に0.7%まで低下した。2014年が3.5%、15年が1.9%だったのと比べると、所得の増加ペースが急速に鈍化した格好だ。内需低迷と輸出不振で企業が賃上げを渋ったり、構造調整を進めたりしている影響が大きい。

 特に家計に稼ぎ手が1人しかいない場合の所得は昨年第1四半期から3四半期連続で減少している。初めての現象だ。昨年第3四半期は371万ウォンで、前年同期を6万ウォン下回った。企画財政部(省に相当)関係者は「造船業などで企業構造調整が本格化し、配偶者が失業しても支えがある共稼ぎ世帯に比べ、稼ぎ手が1人しかいない場合には大きな打撃を受けている」と指摘した。専門家は所得が増えないために消費が減り、それが企業の業績不振、雇用減少につながり、さらにそれが再び所得減少を招くという悪循環が起きていると分析した。

■政府に対策なし

 生活物価の上昇は今後も続く見通しだ。政府は昨年1%だった物価上昇率が今年は1.6%になると予想している。原油価格、穀物価格の上昇が目立つためだ。ロッテマートのペク・スンフン商品企画者(マーチャンダイザー)は「昨年台風などの影響で冬の野菜供給が円滑にいかず、当面は野菜価格が高い状況が続く」と指摘した。

 政府は正月の連休直前、緊急民生対策を発表する予定だ。農水産物、畜産品の値上がりを抑えたり、景気低迷で打撃を受けている自営業者を支援したりする対策が盛り込まれるもようだ。中央大の朴倉均(パク・チャンギュン)教授は「短期的には政府が生活物価を安定させる方策を示さなければならず、中長期的には成長率を引き上げ、家計の所得を増やさなければならない」と指摘した。

孫振碩(ソン・ジンソク)記者
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