「夫の会社で年末のボーナスが出たが、旧正月を控えて資金が足りない。最近は卵も白菜も食べ物はみんな高い。それでも周辺には失業している人がいるから生活が苦しいとも言いにくい」
慶尚南道昌原市に住む主婦Pさん(41)はそう漏らす。旧正月連休が3週間先に迫っているが、家計はムードは暗い。所得減少傾向が明らかな中、生活物価が上昇し、生活にしわ寄せが生じている。
■食品高、旧正月の祭祀を直撃か
年明けから農産物が急騰している。農水産食品流通公社(aT)によると、6月現在で大根の小売価格は1本3096ウォン(約302円)で、過去5年の平均価格(1303ウォン)の2倍以上まで値上がりした。白菜は1個4354ウォンで、前年同期より50%高い。昨年10月の台風で農作物が被害を受けた影響が大きい。鶏卵は鳥インフルエンザ(AI)の影響で出荷量がヘリ、1ケース当たりの価格が2カ月前の5000ウォン台から9000ウォンに迫る勢いだ。
肉類では牛肉、豚肉がいずれも上昇している。輸入牛肉が6-13%上昇し、豚のサムギョプサル(豚バラ肉・国産冷蔵)も平年より7.5%高い。南半球での干ばつが長期化し、オーストラリア産の牛肉が高騰する中、請託禁止法(接待禁止法)の影響で国産牛より豚肉の需要が増えているためだ。
イカ、タチウオなど水産物も同様だ。生イカは1杯2974ウォンで平年より14.5%割高だ。タチウオも1匹9759ウォンで、平年を21.2%上回っている。イカは海水温度の上昇で個体数が減少している上、中国漁船の乱獲による影響を受けている。タチウオは韓日漁業協定の交渉決裂で韓国漁船が日本近海で操業できないため、漁獲量が急減した。
庶民の台所は旧正月の祭祀(さいし)用の供え物を準備するのが厳しい状況だ。統計庁によると、昨年12月現在で旧正月用品や生活必需品27品目の物価が前年同期を9.9%上回った。12月の平均物価上昇率(1.3%)と比べると、祭祀用品は値上がりが激しいことが分かる。昨年11月に産油国の減産合意でガソリンなど石油価格が上昇していることも庶民には負担だ。