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対局中の使用履歴なし 報告書概要

 日本将棋連盟(谷川浩司会長)は16日、三浦弘行九段(42)の将棋ソフト不正使用疑惑について第三者調査委員会(但木敬一委員長)が「証拠は認められなかった」と結論づけた調査報告書の概要版を連盟の公式サイト(http://www.shogi.or.jp)で公開した。調査委は昨年12月、調査結果を記者会見で説明したが、報告書は公表していなかった。

     公開されたのは報告書全文のうち約40ページ。調査の手法や結果データなどをまとめた「別紙」は、将棋連盟が「個人情報が含まれる」ことを理由に公表しなかった。

     概要版によると、調査委は、三浦九段側から本人や妻、母が所有するスマートフォン2台、パソコン6台、タブレット1台の提出を受けた。データ解析会社に依頼し、将棋ソフトや遠隔操作ソフトの有無、疑惑を持たれた対局時間中の使用状況などを調べた結果、三浦九段のスマホにソフトがインストールされた痕跡や、対局時間の使用履歴は確認されなかった。パソコン3台には将棋ソフトがあったが、遠隔操作ソフトはなく、対局時間は「スリープ」や「シャットダウン」状態で起動していなかった。ソフトが入っていなかった妻のスマホやパソコンには対局時間に使用履歴があったが、対局映像などから「三浦九段による使用とは判断されない」とした。

     谷川会長は「報告書の内容を真摯(しんし)に受け止め、将棋界の正常化ならびに、棋士が盤面だけに集中できる環境作り、将棋ファンの皆様に真剣勝負を楽しんでいただけるように努めていく」とコメントした。【山村英樹、最上聡、丸山進】

     電磁的記録の調査分析に詳しい佐々木良一・東京電機大教授(情報セキュリティー)の話 もしデータを消しても、おかしな部分は残り、全てを矛盾なく変えるのは難しい。結論は妥当と言える。問題は対象の機器を全て集められたかという点。デジタル鑑識の分野でも、完全に「黒」「白」を付けるのは難しいが、今回は家族のものも含め、通常考えられる範囲は集めたと言えるだろう。

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