世界の所得上位8人の資産 36億人の総資産に匹敵

世界の政治や経済界のリーダーが集まる世界経済フォーラムの年次総会、いわゆる「ダボス会議」が開催されるのを前に、国際的なNGOが報告書をまとめ、世界の所得上位8人が保有する資産が所得の少ない36億人の総資産に匹敵するとして、格差の解消に取り組むよう呼びかけました。
世界の貧困問題に取り組むNGO「オックスファム」は、スイスでダボス会議が開催されるのを前に、16日、報告書を発表しました。

それによりますと、世界で最も裕福な所得上位8人の総資産は4260億ドル、およそ48兆5000億円にのぼり、所得の少ない世界の人口の半数にあたる36億人の総資産とほぼ同じだということです。

8人は、マイクロソフトの創業者のビル・ゲイツ氏や、世界最大の交流サイト、フェイスブックのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏などで、6人がアメリカ人で占められています。

また、世界で格差が広がっている背景について報告書は、企業の上層部がコストを抑えるために労働者を搾取し利益を独占しているうえ、租税回避地タックスヘイブンを利用して納税を避けていることなどを上げています。そのうえで「イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱の決定やアメリカ大統領選挙でのトランプ氏の勝利に見られるように、もはや豊かな国でも人々は現状を容認できなくなっている」として、世界の指導者に対して格差の是正に取り組むよう呼びかけています。