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法律が宇宙ベンチャーブームの死角に

TMI総合法律事務所の新谷美保子弁護士に聞く

  • 寺井 伸太郎

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2017年1月17日(火)

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 官需依存からベンチャーの興隆など変革期を迎えつつある日本の宇宙産業。だが国際展開を考えた際、依然足りない部分も少なくない。

 宇宙産業に詳しいTMI総合法律事務所の新谷美保子弁護士はその一例として、法律家など実務家層の不足を日本の課題に挙げる。1月15日に発生した宇宙航空研究開発機構(JAXA)のミニロケット打ち上げ失敗のようなトラブルに備える意味でも、法的なリスクマネジメントは重要だ。

(聞き手は寺井伸太郎)

企業活動を支える制度や実務家の重要性を強調する新谷美保子弁護士
[しんたに・みほこ]慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、2006年弁護士登録。2013年米コロンビア大学ロースクール卒業、2016年宇宙航空研究開発機構(JAXA)客員。専門分野は航空宇宙産業、知的財産権、IT・通信。

日本の宇宙産業を支える法律家の現状を教えてください。

新谷:近年、日本でも民間主導の宇宙産業に対する注目が急速に高まっています。新しい産業が拡大する時には、当然それを支援するサービスが必要となります。日本企業が「国境のない宇宙」でのビジネスを戦っていくうえで、法務面のサポートが欠かせません。欧米では、宇宙を専門にする法律家が既に一定数います。

 宇宙関連の国際的なビジネスでは、日本企業であっても欧米系の法律事務所を使うことが多いのが現状です。宇宙関連のビジネスで先行する有力企業を多く顧客に持つため、結果的に欧米系の事務所にそうした分野に強い弁護士が多いからです。

 日本でもようやく宇宙産業が脚光を浴び、関連ベンチャーにマネーも流入しつつあるものの、法務面で支える人材の層が薄いと言われています。様々なサービスの国際展開をにらみ、法律や契約などの業務に対する企業側のニーズが強まる中、本当に日本の宇宙産業の発展を考えられる法律実務家が求められていると感じています。

リスク負担が曖昧な契約だと会社が倒れる

宇宙産業は一般のビジネスとどのような違いがあるのでしょうか。

新谷:宇宙の憲法と言われる宇宙条約6条は、「条約の当事国は、月その他の天体を含む宇宙空間における自国の活動について、それが政府機関によって行われるか非政府団体によって行われるかを問わず、国際的な責任を有し、自国の活動がこの条約の規定に従って行われることを確保する国際的責任を有する」と謳っています。

 そのように、宇宙産業はたとえ民間主導で行われるとしても、国策、国益に直結するビジネスです。だからこそ、日本の宇宙産業の発展を真剣に考える立場から、国益や知財戦略をにらんで産業を支援する日本の法律実務家が必要となります。

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