先日作業机を片付けて、ある程度のスペースを確保したが、資料本を置いたり、Web資料閲覧用にA4ノートパソコンを置けるほどの余裕はない。
仮に元祖ネットブックである初代Eee PC 4G-Xを置いてみたが、購入時にインストールされているWindows XPでは、インターネットが使用できない。サポート切れでセキュリティがヤバいので使えないだけだが、うっかり接続しないように、無線LANの暗号情報を削除した。
Eee PC 4G-Xはストレージ容量がたった4GBしかなく*1、CPUもシングルコア650Mhzと極めてプアである為、Windows 7や10にアップグレードすることは不可能である。
そこで、こうした非力なマシンでも使用可能なLinuxをインストールした。
取り合えず成功である。
某キャラの壁紙イラストを表示してみた。
ディスプレイが800X480ドット、7インチと小さいが、ブラウザを全画面表示とすれば、何とか参考資料閲覧用として使えそうだ。
インストールしたLinuxは「Puppy Linux」と呼ばれるディストリビューション(≒種類)だ。
人気と知名度があるUbuntuやDebianは、最近のWindows並みに巨大で高スペックを要求されるので、Eee PC 4G-Xには使えない。
Puppy Linuxは全部で130MBほどの容量で、OSを全部メモリ上に読み込んで動作するので、Eee PC 4G-Xのような非力なマシンにはうってつけである。
Puppy Linux同様の軽量ディストリビューションは他にもあるが、相性やサポート(サポートといっても公式の物があるわけでなく、有志によるフォーラムやOSに足りないツールやアプリが入手しやすいという意味)の点で、Puppyが適当であると判断した。
とはいえ、Web上に情報は少なく、特にEee PC 4G-Xは話題にされなくなって何年も経つ古いマシンなので、一口にPuppy Linuxといっても、古いバージョンの話が多く、インストールは手探りである。
OS本体は以下より入手した
Index of /puppylinux/download/puppy-5.7.1JP
リンク先に飛んでも、一般人は何が何だか分からないだろう。まあ、こういうのを見て直ぐ分かる人だけが、踏み込める世界である。そっけないページで驚くかもしれないが、変に体裁をつくろったページより分かりやすいかもしれない。必要なファイル名のリンクをクリックすればダウンロードされる。
別に危ない物があるわけではないので、全部をクリックしても構わないだろう。
よく、「Windowsが使えなくなったらLinuxにすればいい」と簡単に言うが、Windowsさえまともに使えなくて、人に使い方を聞くような人には、ハードルが高いかもしれない。
分からないことは自分で調べる覚悟がないと、やっていけない世界である。
最初、別のもっと体裁の良いサイトからダウンロードしようとしたのだが、そちらはもう使えないらしく落とせないので、上記のリンク先を利用した。
こちらもいつまでも使える保証はない。
自分は、このページ内の
Puppy_Linux_571JP_Installer.exe
というファイルをダウンロードした。通常Puppy LinuxはライブCD、あるいはUSB起動OSとして使用される事が多いが、自分は内蔵のSSDにインストールしたかったので、こちらを使用した。
外部メディアでの起動を希望する場合は、同じページ内の.isoファイルを使用する。
ライブCDとするには上記ファイルをCD-Rに焼くだけで使えるが、USB起動にするには若干面倒な手続きが必要で、面倒なのが死ぬほど嫌な自分は、内臓ストレージインストール版の.exeファイルを選んだのだ。
puppy-5.7.1JPとあるが、これが日本語版の最新である。
説明をはしょるが、Windows XPを残したまま、同じCドライブにインストールされる。インストール後再起動すると、WindowsとPuppyのどちらを起動OSとするかを選択する画面が現れ、カーソルキーでPuppyを選ばない限り、時間がたつと勝手にWindowsが起動する*2。
Puppy Linuxを起動OSに選択すると、ファイルをメモリ上に展開するプロセスでしばらくまたされ、デスクトップが表示されるはずだが、表示されずに英語の文字を表示したまま止まってしまう。
どうやら、Eee PC 4G-Xの場合、画面解像度が800X480ドットと特殊な為、ここでコマンドを打ち込んで設定が必要らしい。取り合えず「xorgwizard」と打ち込むと画面解像度の設定が表示され、800X600を選ぶ。その後、またコマンド待ちとなり、「xwin」を打ち込むと、ようやくデスクトップが表示される。
デスクトップ表示後も、初期設定のウィンドウが表示されるが、一部の設定は画面をはみ出して、全部を見ることができない。これもEee PC 4G-X特有の現象である。
見えない部分を見るには、Ctrlキーを押しながら、窓をドラッグすると上にずらせる。が、これでも文字が窓に全部表示されなかったり、文字が重なって表示されたりする。それに、毎回上にずらすのも面倒くさい。
これを避けるには、デスクトップの文字のサイズを小さく変更する。設定画面を閉じてしまい、こちらを先にした方が早いだろう。
左下のメニューをクリックして、デスクトップ>文字の大きさ>と進む
この設定画面で、72に変更する。デフォは96だ。これで文字が小さくなって、窓が画面をはみ出す場面も少なくなる。
その後、メニュー>セットアップ>初期設定を選べば、また初期設定を再開できる。
Linuxでは、無線LANが使えないことも珍しくないが、自分のEeePC 4G-Xは初期設定で難なく使用することができた。設定方法は、ここまで自力で出来る人には、難しくないだろう。
初期設定が終わったら、メニューから再起動する。OSを終了前に設定を保存する画面が出るので、忘れず保存する。保存するファイルの容量はデフォでは512MBだが、空き容量が700MBほどしかないので、256MBとした。ここで設定を保存し忘れると、ここまでの作業が無駄になり、起動時に再びコマンドを打ち込む羽目になる。保存してあれば、勝手にデスクトップが表示される。
再起動したら、次のパッチをインストールする。
bashのセキュリティ対策も必要である。
http://packages.ubuntu.com/precise/i386/bash/download
ここまでやると、内臓ブラウザのOperaを使用することができる。
現在、不具合として音がでない。また、OperaでFlash Playerがインストールできない。
どちらも、画像資料を閲覧したいという自分の目的には、とりあえず不要なので、焦らず追々対策するか、そのまま放置になるかもしれない。
また、軽量Linuxとはいえ、大きな画像を読み込むにはメモリが必要で、自分の場合デフォの512MBを外して1GBに増設しているが、全然足りずブラウザの動作は重い。
Chromeも使う事が可能らしいが、少ないメモリでは快適な動作が見込めないのでOperaのまま使用したいと思う。