【北見】オホーツク管内の牧場で3年前に発生した牛の集団死は、「ドングリの食べ過ぎ」が原因―。網走家畜保健衛生所(北見市)がこうした研究成果をまとめた。牛では国内で初症例。一般的に牛はドングリを好まないが、この牧場ではドングリが大量に落ちていたという。

 同衛生所によると、集団死は2014年9月から10月の間に管内の公共牧場で発生。放牧していた肉用牛13頭と乳用牛2頭の計15頭が腎臓の障害などで相次いで死んだ。同衛生所が解剖したところ、牛の胃やふんから大量のドングリの殻が出てきた。血液からはドングリの成分の一つ「ポリフェノール」が検出された。

 ポリフェノールは赤ワインにも含まれ、健康成分として知られるが、過剰摂取は「人間でも便秘や女性ホルモンの乱れといった影響がある」(同衛生所)。海外では、今回によく似た牛の中毒事例が報告されているという。