野球殿堂に伊東勤氏や星野仙一氏ら新たに5人

野球殿堂に伊東勤氏や星野仙一氏ら新たに5人
野球界の発展に大きな功績を残した人をたたえる「野球殿堂」に、西武のキャッチャーとして8回の日本一に貢献し、現在はロッテの監督の伊東勤氏や、監督として3球団を優勝に導いた星野仙一氏など5人が新たに選ばれました。
新たに野球殿堂入りしたのは、競技者表彰と特別表彰の合わせて5人です。

競技者表彰のうち、引退から5年以上が経過し、現役時代の功績が大きかった選手が対象となる「プレーヤー表彰」では、伊東氏が選ばれました。

伊東氏は熊本県出身の54歳。西武の黄金時代のキャッチャーとして、8回の日本一に貢献し、プロ22年間でゴールデングラブ賞11回、ベストナインにも10回輝きました。現役引退の翌年から監督としてチームを率いて1年目にチームを日本一に導き、平成25年からはロッテで監督を務めています。

また、プロ野球の指導者経験がある人や、引退から21年以上経過した人が対象の「エキスパート表彰」には、星野氏と平松政次氏が選ばれました。

星野氏は岡山県出身の69歳、中日での現役時代は気迫を全面に出した投球スタイルで、特に巨人戦には闘志を燃やし、通算146勝を挙げました。監督としては中日で2回、阪神で1回リーグ優勝を果たし、3球団目の楽天ではチームを球団初の優勝と日本一に導きました。また、北京オリンピックでは日本代表監督を務め、現在は楽天の球団副会長を務めています。

また、平松氏は岡山県出身の69歳。「カミソリシュート」と呼ばれた右バッターのインコースに鋭く食い込むボールを大きな武器に、大洋のエースとして活躍し通算で201勝を挙げました。巨人キラーとしても知られ、巨人戦51勝は金田正一氏の65勝に次ぐ歴代2番目の多さです。

特別表彰にはアマチュアから2人が選ばれました。

郷司裕氏は、昭和44年の夏の全国高校野球では延長18回、引き分け再試合となった松山商業と三沢高校の決勝で球審を務めるなど、甲子園では春夏合わせて31試合で決勝の審判を務めるなど、平成18年に亡くなるまで審判技術の向上に貢献しました。

また、鈴木美嶺氏は、東京六大学野球で規則委員や公式記録員を務め、昭和30年にそれまで別々だったプロとアマチュアのルールブックの統一に携わり、その後もルールの正しい理解や普及に貢献して平成3年に亡くなりました。

伊東氏「熊本の明るいニュースになれば」

伊東勤氏は「本当に自分でいいのかというのが正直な気持ちです。地元の熊本で去年、地震が起きて、今も苦労されている方々がたくさんいるので、郷土の代表として少しでも明るいニュースとして役立ってくれればと思います。現在も現役の監督としてグラウンドで勝負ができているので、この先も野球の発展のために力を尽くしていきたいです」と、話していました。

星野氏「運がよく選手に恵まれた」

星野仙一氏は「高校時代に競い合った同じ岡山出身の平松と同時に名誉ある殿堂を頂き、感謝したいと思います。いつも最下位のチームを任されて、数年後に優勝したが、運がよく、選手に恵まれたと思っています。もうすぐ70歳になるので、これからは子どもの底辺の拡大など、少年野球からプロまで野球界が1つになることを後押ししたいと思います」と話していました。

平松氏「夢の中の夢 すばらしい賞」

平松政次氏は「夢の中の夢、すばらしい野球殿堂を頂き、感謝したいと思います。親からすばらしい体と精神をもらい、周りの皆さんの後押しですばらしい指導者に恵まれました。今後も野球界の発展に努力して行きたいです」と話していました。