安倍首相 中国を念頭「地域の平和と繁栄へ主導的役割」

安倍首相 中国を念頭「地域の平和と繁栄へ主導的役割」
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安倍総理大臣は訪問先のベトナムで記者会見し、海洋進出を強める中国を念頭に、今回訪問した4か国の首脳と、法の支配の貫徹が重要だという認識で完全に一致したと強調したうえで地域の平和と繁栄のために主導的な役割を果たしていく考えを示しました。また安倍総理大臣はアメリカのトランプ次期大統領が今月20日に就任したあと、できるだけ早い時期に首脳会談を行いたいという考えを重ねて示しました。
この中で安倍総理大臣は、今回、フィリピン、オーストラリア、インドネシア、ベトナムの4か国を歴訪したことについて、「いずれも太平洋という開かれた海を共有し、基本的な価値を共有する重要な隣国だ。海洋の安全、航行の自由の原則が極めて重要であり、そのためにも法の支配が貫徹されなければならないとの認識で完全に一致した」と述べました。
そのうえで安倍総理大臣は、「日米同盟という強固な基盤の上に、わが国と海で結ばれたアジアから環太平洋地域、さらにはインド洋へと至るこの地域の平和と繁栄を確固たるものとする」と述べ、海洋進出を強める中国を念頭に、地域の平和と繁栄のために主導的な役割を果たしていく考えを示しました。
さらに安倍総理大臣は、「この地域にみなぎる活力を日本の成長につなげ、ともに繁栄していきたい。その基盤は自由貿易だ。そのスタンダードともいうべきTPP=環太平洋パートナーシップ協定の早期発効を目指すことを改めて確認した。TPPの成果を礎として、今後、RCEP=東アジア地域包括的経済連携などのより大きな質の高い野心的な協定を目指していく」と述べました。

日米首脳会談 就任後できるだけ早い時期に

一方、安倍総理大臣は、アメリカのトランプ次期大統領が今月20日に就任することについて、「今回の訪問で、地域の平和と繁栄のためには、アメリカのコミットメントが不可欠だとの考え方のもと、引き続き緊密に連携していくことで一致した。アメリカ、ASEAN=東南アジア諸国連合、オーストラリア、インドといった普遍的価値を共有する、戦略的利益を共有する国々と緊密に連携していきたい。トランプ次期大統領とは、政権発足後、できるだけ早い時期に日米首脳会談を行いたい」と述べました。

憲法改正 具体的な姿が現れてくること期待

また安倍総理大臣は、憲法改正について、「ことしは日本国憲法の施行から70年の節目の年にあたる。新しい時代にどのような憲法がふさわしいのか、国会の憲法審査会において、野党第1党の党首も『議論していきたい』と言っておられるので議論が深められ、具体的な姿が現れてくることを期待したい」と述べました。