米フロリダ州の病院で生後直後に誘拐され、行方不明だった新生児が18年ぶりに見つかった。
容疑者(左)と新生児だった頃のモブリーさん(右) Jacksonville Sheriff's Office
18年間もの長い間、行方不明になっていたのは、カミヤ・モブリーさん。
モブリーさんは、米フロリダ州ジャクソンビルの病院で1998年7月、出生から8時間後に、看護師を装った女性に連れ去られた。
地元テレビ局ファースト・コースト・ニュースによると、犯人は実の母親に「熱があるので、検査が必要」と話しかけ、生まれたばかりのモブリーさんを奪っていったという。
病室の近くに設置された監視カメラは、事件発生当時、故障していた。また病院内にあった他の監視カメラにも、犯人の姿をはっきりと捉えた映像はなかった。
警察は、わずかな情報を手がかりに捜索を続けたが、犯人を特定できなかった。
事件が進展したのは、2015年。誘拐発生日と同じ誕生日の女の子が、サウスカロライナ州に住んでいる、との情報が当局に寄せられた。
警察はその後、モブリーさんの身元登録に、偽造文書が使われていた事実を発見。1月12日にDNA鑑定を実施し、行方不明となっていた新生児と、モブリーさんが同一人物だと特定した。
容疑者に「愛してるよ、ママ」
連れ去られたモブリーさんは、病院の北約280キロに位置するサウスカロライナ州ウォルターボロで成長した。
DNA鑑定後、「育ての親」の女性グロリア・ウィリアムズ容疑者(51)は、誘拐容疑などで逮捕された。
モブリーさんは18年間、ウィリアムズ容疑者を「実の母親」と信じ続けていた。近所の住民も、モブリーさんとウィリアムズ容疑者が、普通の親子であると疑わなかったようだ。
警察に拘置されたウィリアム容疑者と再会したモブリーさんは、「愛してるよ、ママ」と、涙ながらに話しかけたという。
CNNによると、実の母親は、モブリーさんを身ごもった当時、15歳だった。実の父親は19歳だったが、出産当時、拘置所に収監されていたという。
モブリーさんは1月14日、サウスカロライナ州の警察署で、実の両親と再会した。
フロリダ州から駆け付けた実の父親クレイグ・アイケンさんは、「再会は素晴らしいものだった。感情を言葉で表現できない」と話し、喜びを噛み締めた。
しかし、モブリーさんが今後、実の両親と一緒に暮らすかは、定かではない。成長したモブリーさん自身が、今後の居住地を決める権利を有しているからだ。
この記事は英語から翻訳されました。