プロパー販売の大前提は?
2017年01月16日 18:00 JST
先週12日の繊研新聞はアンテプリマジャパン荻野正明社長の発言を取り上げていたが、その要旨は以下の通り(一部、私が意訳)。
『ブランドビジネスの基本は顧客目線であり、顧客を不快にさせてはいけない。セールをやってはプロパーで買ってくれた顧客に損をさせる事になる。アンテプリマのワイヤバックは値引きしなくても売れるのにマークダウン分を上乗せして投入し、値引き販売という癌に侵されていた。17年秋冬物からはプロパー販売に回帰すべく、投入金額も品番数も85%に絞り最終在庫を大幅に圧縮する。』
非常に解り易い発言で、値引き販売から脱却する決定打は投入量の絞り込みであり、とりわけ値引きロス分の上乗せ投入という悪習の廃絶が不可欠だと言い切っておられる。年間/シーズンの予算を組み立てる手順を考えれば、この指摘は経営者として要点を突いていると思う。
予算の策定では売上予算を月指数に分解し(単品ベースでは週指数)、各月で発生すると見込まれる値引きロスを上乗せして前月末在庫と投入額を逆算して行くのが定石だが、始めから値引きロスを'予定'して上乗せすると投入額が嵩上げされ、供給過剰となって値引きロスを'確定'させてしまう。値引きロスを'予定'すればその分、粗利予算を確保すべく原価率を切り下げてしまうから、お値打ち感を損なってプロパー消化の足を引っ張る。
予算段階で値引きロスを'予定'する事が値引きロスを'確定'させる結果を招いているとしたら愚かに過ぎよう。こんな悪しき慣行は一刻も早く止めるべきだが、数字でしかマネジメント出来ないスマートな経営陣には望むべくも無いのかも知れない。創業オーナーならではの決断だったのだろう。
小島健輔