先週木曜日に脳科学者として著名な茂木健一郎東大教授が解説監修の番組がありました。 眞利子先生が小学生の「育み教室」の保護者会用資料として内容を要約したので、主旨が小学生より幼児には更に貴重と考え、今回紹介することにします。以下要約。
フジTVの「脳教育を特撮せよ」の番組でこんなことを言っていました!!。
まず子供に象の絵を描かせる。それを見て茂木さんは「いいですね」。子供の行為に対して、すぐに褒める(評価してあげる)ことが大事です。褒められたことで、ドーパミンが分泌され脳の神経経路が強化されていくのです。叱る行為は褒めるための準備と考えて下さい。叱ったことを子供が修正したらすぐに褒めること、この「叱ると褒めるのバランスが大事」で、叱る褒めるはワンセットになればいい訳です。褒めることによって「小さな成功体験」を沢山させることで、脳の神経を強化させるのです。さて、どのくらい褒め言葉を知っていますか?「お前は天才!すごい!素晴らしい!最高!上手いね!ママも嬉しい!‥‥」。
早期教育を考えたとき、音楽教育や言語教育がすぐイメージされますが、これは生の歌や演奏、言葉でないと‥‥反応は薄いそうです。「ミラーニュロン概念」といって「子供は真似をすることが得意」なので、お母さんが歌えば子供も真似して歌うし、沢山良い言葉をインプットしようと本を読む家庭は子供も同様に育ちます。ここで、注意することは、テレビなどで語学を習得しようとしても、実際に語りかけられているのとでは、習得率が違うということです。家庭環境、お母さんの接し方が大きく影響するのです。
コンピューターゲームが害があるか?答えはNOですが、コンピューターゲームにないものが一つあります。それは「メタ認知」客観的に認識することが出来ない‥。「つまり自分を外から見ることが出来ないのが、コンピューターなのです」。当然ゲームばかりする子は、自己中心な人間に育つのです。「このメタ認知は、お父さんお母さんに叱られることで出来る」のです。ここで、また叱ることの重要性が出てきました。自分が回りの人にどう迷惑をかけたか、社会のルールや、人との協調性とか‥‥。近所の子供同士で遊ぶことのない現代社会で、叱ってくれるおじさんおばさんもいない、縦社会が乏しくなっているので、残念ながらこのメタ認知は親しか教えられません。最後に茂木さんは「子供は素晴らしい宝を持っていますが、どんな宝を持っているのかを、探すのが子育てだ」とおっしゃってました。「叱れ、そして、褒めよ」が本日のお題でした。
本園は結果として脳科学の成果を活かした教育運営となっているので、要約に記したのと同様なことを、私も皆様に度々申し上げているようです。よって保護者各位は茂木教授の言わんとするところを、よく理解されたことと推測できます。本園では毎年4月に澤口俊之・元北大教授の「脳の発達と幼児教育」という小冊子を渡していますが、そのP22〜P28に同じ主旨のことが分かりやすく記されてあるので必ずお読み下さい。 きっと皆様は茂木教授が言う「宝を探す、確かな目」を確実にお持ちになることでしょう。
教授の話は合点のいくことばかりですが、それでもTVやゲームは心配です。幼児期は遠ざけたほうが良いです。家族でも楽しみが過ぎると、いつの間にか親の目を盗んで一人でやってしまうのも子供の特性です。大人でも同じような傾向があるので、幼少期は特に心配です。幼少期にやらないと、後でやっても大して重症にはならないと考えます。
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