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【スポーツ】[ジャンプ]沙羅どうした? 失速4位、またW杯50勝お預け2017年1月16日 紙面から
◇W杯女子個人第8戦ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ女子は15日、札幌市の宮の森ジャンプ競技場で個人第8戦(ヒルサイズ100メートル、K点90メートル)が行われ、昨季総合優勝の高梨沙羅(20)=クラレ=は93メートル、89メートルの合計217・4点で4位。今季初めて表彰台を逃すとともに、W杯50勝はまたしてもお預けとなった。第7戦でW杯初優勝を遂げた伊藤有希(22)=土屋ホーム=は97メートル、96・5メートルの236・3点で2位。2回目に最長不倒の100メートルを飛んだマーレン・ルンビー(ノルウェー)が248・5点で今季(通算)2勝目を挙げた。 たった2回続けて勝てなかっただけで異変に見える。それほど今季の高梨は強かった。この札幌大会まで6戦5勝、2季連続の個人総合Vに突き進んでいた女王が得意かつ地元の札幌でまた負けた。W杯通算50勝を前にして、まさかの“連敗”だ。 「応援してくださる皆さんに、楽しんでジャンプを見てもらいたいと思ったんですけど…。ベストを尽くしきれず、いいジャンプをお見せすることもできずに残念です」 前日と同じく反省ばかりを口にした札幌大会2戦目。1回目に93メートルで4位と出遅れると、小雪が降りしきる2回目はK点にすら届かない89メートル。その時点ではトップに立ったが、残りの3人に抜かれて4位フィニッシュ。 表彰台を逃したのも連敗したのも今季初。昨季まで6連勝中だった札幌での連敗、さらにいえば同じ日本チームの伊藤に優勝された前日の2位と違って、4位に沈んだのも不安が残った。 「しっかりカンテ(踏み切り台)で踏めていない感じがする。いつもより飛び出してくるスピードが遅い」。こう分析したのは日本代表の山田いずみコーチ。大会中は「頭とお尻をバランスよくしてカンテで立つように」と指示したが、修正しきれなかった様子。前日に高梨はW杯前戦のラージヒルからノーマルヒルへの対応の遅れを説明していたが、同コーチは「(影響は)ゼロではないと思うけど…」と険しい表情を浮かべた。 「焦りもあった。日本でいい結果を残したい気持ちもあった。でも世界選手権の直前じゃなくてよかった。早く感覚を取り戻したい」と高梨。 日本での50勝を期待するファンと、五輪のプレシーズンとあって報道陣の注目度が高くなっていることもメンタル的に影響しているのか…。次なる舞台も同じ国内の山形・蔵王(20、21日)、スカッと勝って不安を一掃したい。(兼田康次)
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