はてな村には「互助会」という用語がある。
互助会を一言で言うと数人のはてなユーザー間で共謀してお互いのブログ記事にブックマークを付け合うことで、記事内容の質の高低に関係なく新着エントリに掲載されて更なるブクマ(被リンク)や多数のアクセス(PV)を稼ぐことを狙う行為だ。
筆者はブロガーになる前はブクマカー専業だった。一方、ブログを書くようになって3か月半経ち、ブロガーの気持ちも分かってきた。
専業ブクマカーとブロガー双方の立場を理解するようになり、互助会問題ってこういうことじゃね?と思ったので記事にしようと思う。
最近分かってきたブロガーの心理
ここ最近になって筆者にも数名、何となく心許せるような気がするはてなブロガーさんが出来てきた。それで分かったことがある。
心許せるような気がするはてなユーザーがブログ記事を投稿したのを見ると、記事の内容をある程度度外視してでも、見ましたよ!って反応したくなるものなのだ。
その見ましたよ!という反応をお手軽にできるのがはてなスターであるが、はてなスターという仕組みはスターを付けた相手のブログ主にとってはホッテントリ入りの要素にならない上に被リンクによるサイト力アップメリットがないため、スターだけだと相手への肯定的な反応としては弱すぎるかも、、と思ってしまう。
そう思うと、ブックマークを付けて何かしらコメントを書くことによって、サイト主にも実利ある形で反応をしたくなるのである。
で、そう言ったサイト主へ見たことを伝えたいという動機で付けたコメントは、自然とサイト主への語り掛けの会話形式になるのだ。筆者は普段は今書いているようなだ・である調の文体がデフォルトなのだが、心許せるような気がするブロガーさんのブログ記事へのブクマコメントでは何故か丁寧語を使わないと相手のブロガーさんに悪いような気がしてしまう。
ブクマカーの心理
ブクマカー時代の筆者は、ホッテントリ一覧を主な情報源にしていた。
ブクマカーは記事の内容を見て心動かされた時や、後で読みたいと思ったWebページにブックマークをする。
サイト主に対してブクマカーが持っているイメージがブクマの可否やコメントの内容に影響するのは確かだが、記事の内容を抜きにして「このサイト主が投稿した記事だから」という理由でブクマをすることはない。
サイト主に対するコミュニケーション手段としてブックマークコメントを使うことなんて思いもよらないし、理解できないのだ。
ブクマカーにとっては、サイト主へ語り掛けるように丁寧語で書かれたブックマークコメントは例え内容のあるコメントであっても全て馴れ合いに見える。
馴れ合いに見えるブクマコメントが殆どを占め、かつブクマカー本人にとっては興味をそそられないような内容の記事が毎日のようにホッテントリに上ってきたら何これ、うぜえと思うのは想像に難くないだろう。
「馴れ合い」コメントも楽じゃない
ブロガーになってみて、分かったことがある。
記事見ましたよ!という心理が先行したブコメを考えるのは想像以上に大変な事で、頭を使うのだ。
ブクマカーのブクマコメントは記事の内容を見て思う所が浮かんで来たらコメントするものなので、コメントの内容に頭をひねる必要がない*1。
一方、コミュニケーションのためのブクマコメントは記事の内容よりも尊敬するブロガーさんが記事を書いたこと自体に感動したからという動機で書くため、記事の内容には今一つビビッと来てない状況であることもある。
かくして、「参考になります!」だけとかちょっとした冗談交じりのコメントとか内容の薄い*2馴れ合いコメントが登場してしまうのだ。
筆者はブクマカー時代の経験から、そのような内容の薄いコメントを書くことにはどうしても抵抗がある。
そうすると、記事の内容には今一つ思い入れが無いけど、何とか内容が薄すぎないコメントを書かなきゃ。。と考え込んでしまうのだ。
実際には考え込んだ末言葉が浮かばずスターで済ませてしまう事が多いのだが、とにかくここで言いたいことは、コミュニケーション目的が先に立ったブクマコメントは記事の内容そのものへの感動がないまま書かなければならないため、かえって書くのに頭を使ってしまい、大変なのだ。
でもスターだけじゃブログ主さんのことをおざなりに思っているように思われるかも。。という気持ちで、必死にブクマコメントを考えるのである。
ホッテントリに上がってくるブロガーさんの真の凄さ
ホッテントリに上がってくるブロガーさんの凄さは記事そのものの作成能力もさることながら、上記のような頭と時間と心理的エネルギーを使うコミュニケーションを他の多数のブロガーさんと成立させることができる点である。
筆者は毎日記事を投稿しながら読者登録させて頂いているブログの記事に目を通し、これはと思った記事や気が許せるような気がするブロガーさんの記事にブクマを付けてみる生活をしてみたが、ぶっちゃけコミュニケーション的なブクマコメントを付けられる「気が許せるブロガーさん」の数は5名程度が限界だと思った。
数十名の他のブロガーさんの記事に対してコミュニケーション目的でブクマコメントを考えて書くことができるというのは、並大抵のことではない。余程時間に余裕があるか、記事内容に興味が今一つなくても記事の内容に目をざっと通しただけで内容を理解して素早くブクマコメントを書けるだけの頭の回転の速さが無いと成立しない。
おわりに
ブロガーはブクマカーが記事の内容そのものを直視してブックマークする姿勢を理解して尊重し、ブクマカーはブロガーがコミュニケーション手段としてブックマークを使うことがあることを理解して尊重する。
まずはこのような相互理解尊重をすることが不毛な対立を防ぐために有用だ。
はてな運営に期待したいことは、ブックマークにそれぞれ毛色の異なる
- あとで読む
- 記事内容にフォーカスを当てて意見する
- サイト主へのコミュニケーション
という3つの要素があることを踏まえた上で、それらが等しく
- ホッテントリという仕組みによる多くの人へのサイト宣伝機能
- 被リンクやPV数の飛躍的な向上
といったサイト主にとって垂涎の効果をもたらす結果をもたらしている事に何らかの差を付けるなどしてメスを入れる仕組みを作って頂きたい。
例えば、はてなスターが多数付けられた記事もホッテントリ入りさせるとか。これだけでコミュニケーションブクマの数は激減するはずだ。