大学入試センター試験は15日、理科と数学の試験を行い、2日間の全日程を終えた。大学入試センター(東京)によると、雪による影響で公共交通機関に遅れが出るなど8府県の31会場で試験開始時間を繰り下げるなどの措置が取られ、受験生9千人超に影響が出たとみられる。雪による繰り下げの影響は過去10年間で最多という。
8府県は宮城、新潟、愛知、三重、京都、大阪、兵庫、広島。このうち5府県の12会場では会場全体で「理科(1)」の開始を1時間繰り下げ、ほかの会場では遅れてきた受験生を別室受験させた。
2日間の再試験対象者は雪の影響の79人を含め16会場で計286人。静岡市の会場では14日の英語のリスニングテスト中に監督者が激しくせき込み、40人が再試験の対象となった。
15日に試験があった各教科の志願者に占める受験者の割合(受験率)は理科(1)27.2%▽数学(1)69.4%▽数学(2)62.7%▽理科(2)43.0%。
同センターによると、2日間の試験でスマートフォン(スマホ)を使うなどの不正を12人で確認。「電卓使用」が6人で、いずれも北海道の同じ教室で「簿記・会計」の受験中に見つかった。「スマホ使用」は1人で、愛知県の会場で「地理歴史・公民」の試験で問題冊子の下にスマホを隠し、教科書の画像データを見ていたという。
同センターによると、12人が不正を指摘されたのは2006年1月の実施分以降で最も多いという。対象者は全教科の試験結果が無効となる。