東京都の小池百合子知事は15日、今夏の都議選で「豊洲市場(江東区)のあり方が大きな争点になるべきだ」と述べた。同市場の地下水から環境基準を大幅に上回る有害物質が検出され、都は再調査を進める方針。築地市場(中央区)から豊洲への移転は都議会自民党が推進した経緯がある。知事は「(過去の議会の)審議を見直す必要がある」と話し、争点と位置付ける姿勢を示した。
14日公表された調査結果は、最大で環境基準の79倍の濃度のベンゼンが検出されるなど、過去8回に比べて急激に数値が悪化した。知事は15日、都内で記者団の取材に「改めて再調査の必要がある」と発言。結果について「重く受け止めている」とも述べ、築地市場から豊洲への移転を慎重に判断する姿勢を示した。
調査結果は都議会各会派も問題視する。公明党の東村邦浩幹事長は14日の知事との緊急会談で原因分析や情報公開の徹底を要望。民進党は原因の究明に向けて、強い調査権限を持つ百条委員会の設置を提案している。