蹴球探訪
奇跡の初優勝見えた レスター・岡崎が激白「試合後はいつも悔しい」(4月27日)
【スポーツ】[ジャンプ]伊藤、77戦目の初V 沙羅の50勝阻止2017年1月15日 紙面から
◇W杯女子個人第7戦ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ女子は14日、札幌市の宮の森ジャンプ競技場で個人第7戦(ヒルサイズ100メートル、K点90メートル)が行われ、伊藤有希(22)=土屋ホーム=が95メートルと96メートルを飛んで合計254・3点を挙げ、W杯初優勝を飾った。昨季総合優勝の高梨沙羅(20)=クラレ=は93メートルと92メートルの合計242・1点で2位。あと1勝と迫っていたW杯通算50勝はお預けとなった。第8戦は15日、同競技場で行われる。 平昌(ピョンチャン)五輪の金メダル候補は沙羅ちゃんだけではなかった。その瞬間、両手に持っていたスキー板を高々と掲げながら笑顔を浮かべていた。過去10度も表彰台を経験しながら頂点に立てなかった伊藤が念願のW杯初優勝だ。 「うれしいですね。地元から応援に来てくれた人たちの姿もジャンプ台から見えたし、声援がすごく聞こえてパワーになった。少しでも恩返しができたかなと思う」 2学年下の女王を圧倒した。1回目に95メートルを飛んで首位に立つと、最終ジャンパーとなった2回目も落ち着いていた。直前の高梨が92メートルに終わると1回目を上回る圧巻の96メートル飛躍だ。「もし緊張したら『きょうの夜ご飯は何にしようか』って考えようと思ったんですけど、その必要はなかった」。W杯通算50勝まであと1と迫っていた高梨の連勝を3で止め、W杯通算77試合目で日本女子2人目の頂点にたどり着いた。 「レジェンド」の魂を受け継いでいる。ジャンプの五輪選手を数多く輩出している北海道下川町で生まれ、女子ジャンパーとして頭角を現していた伊藤は2013年に土屋ホームに所属して成長を遂げた。監督は同郷で現在も現役を続ける葛西紀明。14年ソチ五輪後も背中を追い、指導を受けた。「言葉だけではなく行動すべてが勉強になる」。今回はその葛西監督からプレゼントされたヘルメットで出場。W杯で欧州遠征中の恩師に最高の報告ができる。 「大会の前には『リラックスしていけ』と言われていました。今は(時差で)寝ているでしょうね」と話すと、ライバルの高梨については「向こうは50勝まであと1なのに、こっちはまだ1勝。(高梨と比べて)足りないものしかない。(勝っているのは)食欲だけです」と笑わせた。そんな伊藤に高梨は「中学のころからいろんなことを学ばせてもらっている先輩。きょうは圧倒されました」。女王を倒したことに価値がある。いずれにせよ、来年2月の平昌五輪での金銀ゲットが見えてきた。 (兼田康次) PR情報
|