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【政治】

公園に保育所、全国解禁 待機児童対策 特区限定から拡大へ

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 国土交通省は十三日、国家戦略特区だけで認めている公園内の保育所設置について、特区に限らず全国で可能にする方針を固めた。待機児童の解消が狙いで、二十日からの通常国会に関連法の改正案を提出する。待機児童は大都市圏だけでなく地方の県庁所在地などでも増えており、保育所の用地不足に対応する。

 公園を管理する自治体が認めれば保育所だけでなく、小学生を放課後に預かる学童クラブなども整備できるようにする。住民の憩いの場や災害時の避難場所確保を優先し、公園にはこれまで電柱や災害時の備蓄倉庫など限られた設備しか設置できなかった。

 政府は少子化対策を重視し、二〇一五年から特区に限り保育所設置を解禁。東京都荒川区や仙台市などで、特区を利用した開設が予定されている。

 ただ特区を活用する現行制度では、保育所を設置するたびに申請する必要があるなど自治体の事務負担が大きいとの指摘が出ており、国交省が見直しを検討していた。保育所の敷地面積を公園の三割以内とし、公園の美観や機能を損なわないようにするといった現行の特区の基準をそのまま適用する。

 昨年四月時点で全国の待機児童数は二万三千五百五十三人。県庁所在地などは地価が高く、子どもの声を気にする近隣住民の反対などもあり、保育所に適した用地を見つけるのが難しくなっている。

 待機児童が多い岡山市の担当者は「現時点で検討しているわけではないが、今後は公園の利用も選択肢になるかもしれない」と話す。一方、千葉県市川市の担当者は「需要が高い地域には広い公園が少なく、設置は難しい」としている。

<待機児童> 条件を満たしているのに、定員超過などで認可保育所や認定こども園に入所できない子ども。安倍政権は、保育の受け皿の整備を加速し、2017年度末までにゼロにすることを目指している。保護者が育児休業中などの理由で集計から除外されている「潜在的な待機児童」も、昨年4月時点で、全国で約6万7千人に上る。

 

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