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【大相撲】

高安、大関ロード復活 琴奨菊はたき2敗キープ

2017年1月15日 紙面から

高安(左)がはたき込みで琴奨菊を破る=両国国技館で(冨永豊撮影)

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◇初場所<7日目>

 (14日・両国国技館)

 大関昇進が振り出しとなった小結高安(26)=田子ノ浦=は大関琴奨菊(32)=佐渡ケ嶽=に勝ち、5勝2敗。一方、かど番の琴奨菊は2勝5敗となった。横綱白鵬は新関脇玉鷲を突き落とし、大関稀勢の里は栃煌山を寄り切ってともに7連勝とした。横綱鶴竜は隠岐の海に上手出し投げで辛勝し、連敗を3で止めて4勝3敗とした。トップの2人を追う1敗は平幕の貴ノ岩、蒼国来、佐田の海。

    ◇

 何度でもチャンスはある。高安が新年の初稽古で誓った言葉だ。初の大関とりに挑んだ昨年11月の九州場所。「稽古はできていたのに、後手後手にまわる相撲を取っていたら、弱いところが出てしまった」。気持ちの問題だった。

 振り出しに戻ってしまったが、前しか向いていない。「去年は去年で終わったこと。また上を見てやるしかない。最高の1年にしたい」と心に決めた。

 目標も明確だ。「最高位の更新ですね」。はばかることなく大関の地位を口にした。

 土俵でも持ち味の野性味あふれる取り口で暴れ回る。「しっかり当たれました」という会心の立ち合いで、腰の重い琴奨菊に当たり勝つと突いて出た。決まり手ははたき込みだったが、高安の圧力が際立った一番といえた。琴奨菊とは先場所まで6勝11敗。この数字だけ見れば劣勢だが、今場所を含めて4連勝。「勝ち続けると自分のいい流れで相撲が取れる」と精神面もすでに劣勢ではなくなっている。

 田子ノ浦部屋には、先代(元横綱隆の里)の時代から続く験かつぎがある。初日の朝は毎場所必ず同じものを食べる。

 4本足の豚は、両手をつくからと言われているが、田子ノ浦部屋は「豚カツ」。それに添えられるのが「あさり汁と納豆ですね」と高安。

 「優勝争いをしたいですね」。そう言った後にこう続けた。「争い、というよりも、優勝したいですね」。1横綱、3大関に土をつけた。アッサリ勝つ。粘って勝つ。高安が絶好の再出発を切った。 (岸本隆)

 

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