2017年01月15日

あっ、そういえばiPhoneって今年10周年記念なんだね・・・・

iphone-mosaic

アップル関連サイトのみならず、モバイルPC系のサイトではどこでもその話題を提供しているが、自分の場合、初めてiPhoneを購入したのは2011年10月14日でauから。もちろん日本国内で最初にiPhoneを手掛けたのはソフトバンクだが、購入すべきかどうか?アップル愛とソフトバンク嫌で揺れ動いた当時の心境は今でも鮮明に憶えている。

なにしろこのブログも10年以上続いているわけだが、米国でiPhoneが発表されたのは2007年1月9日(日本時間1月10日)。その3,4日後の記事ではこう書いているのだ。

2007年01月14日 ソフトバンク980円プランと
とそんなことを考えていたら、アップルよりiPhone発売のニュースが

これは絶対買わなければならないぞ、iPhone

欲しい、すぐ欲しい。

ドコモSH903iTV、au 51~53CA、51~53Hを差し置いてぶっちぎりで欲しいなあ

と思って発売日を調べていたら、なんと来年

お預けを食らったワンちゃんみたいだ

その当時、こんなことを書くのはよほどのアップル製品愛用者だが、さすがにソフトバンクiPhoneはいくら何でもマズイだろう?艱難汝(かんなんなんじ)を玉にす・・・じゃないけれど、auまたはドコモから発売されるまでひたすら我慢すべしとの教えを金科玉条のごとく守り、2011年間10月14日にようやくauからiPhoneを購入することができたのだ。

20170115_Apple_1

そして以来、毎年のように新型iPhoneが発売されるたびに購入し、現在に至っている。

このブログを読まれている方はアップルびいきと思われるかもしれないが、実は熱烈なWindows & Macintoshユーザであり、Google webサービスをこよなく愛し、そしてスマホはiPhone,Nexus,Pixelが大好きという人間だ。どうやら一つのモノに縛り付けられるのが嫌いで、特に厭なのが、押し付けだ。

その意味でプリインストールアプリ満載のキャリアAndroidは目の敵にしており、必然的に関心はiPhone,Nexus,Pixelに向かってしまう。

アップル製品は、iMac,MacBook Pro,AppleTV,iPad,iPhone,Apple Watch・・・とカタログに記載されている製品はほぼ全て購入しているが、その理由は?と、問われると・・・・設計思想が好きだから、と答えるようにしている。

自分で徹底的にカスタマイズしようとする人には向いていないが、モバイルIT機器が苦手な人でもとにかく敷居を低くして、とっかかりしやすくしたい、手に馴染む製品に仕上げたいという設計思想が垣間見えるのが嬉しく、その意味で作り手の情熱、情感が感じられる唯一のハードウェア製造会社と言っても構わない気がする。

毎度このブログに登場する私の母親や嫁さんにモバイルIT機器を勧めるとしたら、これはもうiOS搭載機器一択でAndroid製品はあり得ない。特に嫁さんは一時期デザインに惹かれて"G'z One IS11CA"を購入したのだが、結局のところ自力では使いこなすことができずに、終始私のHelpを必要とした。

20170115_IS11CA_1

当時から状況は変わっているんじゃないの?と思われる方もいるかもしれないが、例えばいまXperia XZを嫁さんにプレゼントしたとしても、使いこなすことの是非よりも最初の設定作業でつまづくのは目に見えている。

二択問題に弱い嫁さんのこと、Googleアカウントを登録して、続いてドコモアカウント、そしてさらにソニーアカウント・・・・ゴールまでたどり着ける可能性は限りなく0に近く、途中で投げ出す確率はほぼ100%。設問時には横に私がいて二択問題の回答を教えてあげないと、質問の意味すら分からないのだ。

なので、あなたには無理だから、これからiPhone一択にしなさいね・・・と決めたのは今でも正解だと思っているが、実はAndroidで初心者に一番優しいスマートフォンはXperiaなどのキャリアスマホではなく、Nexus5XなどのSIMロックフリーAndroidであるという事実はあまり知られていない。

昨今は携帯電話の通話・通信料金を抑えるための格安SIM導入に話題が集まるが、ハードウェアに焦点を当てたとき、キャリア・プリインアプリが皆無のSIMロックフリースマートフォンは実に扱いやすく、これだったら嫁さんレベルでも使いこなすことができるんじゃないの・・・・と最近思うようになってきた。

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人間、設問・選択肢が多岐にわたるとうんざりするので、少なければ少ないほど飲み込みしやすく、取っつきやすくなる。その意味で嫁さんがいま使用しているiPhone6sに代わってNexus5Xを使っても無問題、Xperia XZはちょっと時間がかかるかもね・・・と想像しているが、iOSとAndroid OSレベルでの優劣がなくなってきたのもかなり影響していると言っていいだろう。

少し前まではiOSの方がユーザに優しい、分かりやすいインターフェイスを提供していると言われていたが、今では両者拮抗している。というよりもお互い切磋琢磨し、相手の長所を貪欲に取り込んでいる、簡単に言えばかっぱらっているからだが、使う側からすればほぼ完成の域に到達しているような気がするのだ。

よくiOSの方がAndroid OSよりも優れている・・・とかその逆の意見がネットでは見られるが、好き嫌い、嗜好はあったとしても性能面で極端な優劣はなくなってきており、もし優位性を主張しているとしたら、それは木を見て森を見ることができない人たちか、本筋と枝葉末節を見極めることができない人たちだろう。

かつてのWindowsとMacintoshがそうであったように、自分もこのままAndroidとiOSの発展を見守るつもりだが、一つだけiOSがAndroidよりも優れているところがあるとしたら、それは恐らく以下のようなインターフェイスの実現かもしれない。YouTubeで【iPhone,Future】で検索した動画で、一部以前の記事でも紹介しているが、こういうのを作らせるとアップルはめっぽう強く、他社は多分万歳。

4分40秒


最後に初代iPhoneの発売日である2007年6月29日から約1週間後に掲載された、iPhone所感を引用するが、文末の【楽しみながら製品をつくっていたんだな】【物作りに対する強い信念を感じる】は現時点でもそのまま通用する。※iPhoneの日本国内発売日は2008年7月11日。

Best one,Only oneしか作らないアップルの設計思想はジョブズ亡き後も脈々と受け継がれ、Macintosh OSの創造・開発・改良を重ねてきた経験と実績がiOS搭載機器に如実に反映されていることを改めて実感している。

2007年7月19日 国内6メーカー担当者が実物を見て語った「iPhoneの衝撃と本音」
20170115_iPhone_1
2007/7/19 7:00

iPhoneをハワイで購入してから3週間。現地では契約できずに「7万円の電子文鎮」という高価な土産物になってしまったが、その後、四苦八苦して何とかAT&Tと正式に契約することができた。2週間ほど電話以外の機能をあれこれ試しているが、やはりタッチパッドを使った操作性は、とても快適だ。

普段、日本メーカーの端末に慣れ親しんでいるせいか、iPhoneの操作性はかなり斬新に感じる。果たして、携帯電話端末を開発している国内メーカーの人たちは、iPhoneの登場にどんな感想を持っているのか。また、iPhoneの独特の操作性を、どのように評価するのだろうか。

そこで、この2週間に国内6メーカーの端末開発者に契約したばかりのiPhoneを触ってもらい感想を聞いた。メーカー担当者の本音を集めることで、iPhoneの本当の実力が見えてきた。

初めてでも違和感を抱かせない全く新しい操作性

まず本体を見る前に、国内メーカー関係者が驚くのが、iPhoneのパッケージだ。高級時計や貴金属を思わせる高級感のある箱を前にして、A社プロモーション担当は「アップルらしい」とため息をついた。国内ではほとんどのキャリアが、コーポレートカラーを彩った共通デザインの段ボール箱を採用しているだけに、メーカーとしては、箱に対してすらうらやましいと感じるようだ(イー・モバイルだけはデザイン性の高い箱を採用)。

iPhoneは、3.5インチの大型液晶を搭載し、タッチパッドで直感的に操作できるのが特徴だ。画面のスクロールや反応も俊敏で、パソコンと比べても比較にならないほど、サクサクと操作することができる。写真のサムネイルを何百枚も表示させても、思いのままストレスを感じることなく操作できる。

「この操作性は素直に感激する」と語るのは、B社マーケティング担当。「サムスン電子製のARMチップが使われているようだが、ここまで快適に動くとは正直、脱帽する。ユーザーが惹かれるのは理解できる」(C社端末戦略担当)と、iPhoneの俊敏性にはメーカー関係者の誰もが舌を巻いていた。

iPhoneには、通常の操作で使うボタンは1つしかない。メールを使っている際、他の機能に移りたいと思ったら、本体下部のボタンを押してホーム画面に戻り、使いたい機能に移動するという操作体系となっている。あとは、直感的にタッチパッドを触って操作していく。

日本のケータイは、テンキーを使い文字を入力する。操作をするにはサブメニューを呼び出して、使いたい機能をリストから選んでいくという流れになる。

国内メーカーには、テンキーのほうが使い勝手が良さそうだという固定観念がある。しかもユーザーの多くは、機種変更をして、ちょっとでもクリアや濁点ボタンの位置が違うだけで、「前の機種のほうが使いやすかった」と感じてしまう。メーカーもユーザーも、テンキーの操作性に慣れきってしまっているのだ。

そのため、2番手以下のメーカーは、トップシェアメーカーが採用するテンキーの操作性に近づけて、ユーザーを奪いとろうと努力する。結果、どのメーカーも似たような操作性になってしまう。

しかし、iPhoneの場合、タッチパネルによる全く違った操作体系を取り入れた。そのため、多くの人が違和感を抱くことなく使うことができる。A社プロモーション担当は、iPhoneを操作していくうちに「我々はテンキーという固定概念に縛られているのかも知れない」と落胆した。

「そもそも、ボタンをほとんど搭載しないという開発思想が吹っ切れている。だからこそ、実現できた操作性だと思う。常識から考えると、ボタンを搭載した方が、操作をしていくうえで断然に速い。しかし、タッチパネルにして、さらに操作に『エンターテインメント性』を入れている。ここがアップルのうまいところ」(D社端末企画担当)だという。

C社端末戦略担当は、「実際使い込んでいくと、ズームインなどの描画速度は遅かったりする。これは、国内メーカーの立場からすると、とても許せる範囲ではない。しかし、iPhoneのタッチパネルによるUI(ユーザー・インターフェース)にはエンターテインメント性があるため、描画速度が遅くてもユーザーに遅いと感じさせないようだますことができる。こんな演出を先にやられると、国内メーカーは真似はできなくなってしまう」と語る。

メーカー関係者が語るエンターテインメント性とは、地図や画像の表示時に、人差し指と親指をくっつけ、画面上に置き、指を開くと、それに併せて画像も拡大表示されることを指している。また、写真のサムネイル表示も、写真を水槽に浮かべて、水面を滑らしたときのような、自然界の動きに近い描画をする。

iPhoneはUIに、このようなエンターテインメント性を入れ込んだことで、ユーザーに「快適」という感覚を植え付けている。これは、iMacなどに搭載されている基本ソフト「Mac OS X」にも共通している姿勢なのだろう。

学ぶべき点が多い「割り切りの良さ」

メーカー関係者の多くがさらに感心したのが、iPhoneの「割り切りの良さ」だ。iPodとしての操作性に関しては高い評価が集まるものの、スピーカーの音質に関しては、厳しい声が聞かれた。A社プロモーション担当は、「スピーカーは貧弱だと思う。おそらくヘッドフォンを使うのが一般的だと考えており、スピーカーは手を抜いたのだろう。力を入れるところと、そうでないところの差が絶妙という。

また、200万画素カメラに関しても、D社端末企画担当は「画質は、かなり悪い」と手厳しい。日本メーカー関係者から見ると、スピーカーやカメラといったデバイスに関しては、あまりコストをかけていないように感じたようだ。

メーカー関係者の多くがさらに感心したのが、iPhoneの「割り切りの良さ」だ。iPodとしての操作性に関しては高い評価が集まるものの、スピーカーの音質に関しては、厳しい声が聞かれた。A社プロモーション担当は、「スピーカーは貧弱だと思う。おそらくヘッドフォンを使うのが一般的だと考えており、スピーカーは手を抜いたのだろう。力を入れるところと、そうでないところの差が絶妙という。

また、200万画素カメラに関しても、D社端末企画担当は「画質は、かなり悪い」と手厳しい。日本メーカー関係者から見ると、スピーカーやカメラといったデバイスに関しては、あまりコストをかけていないように感じたようだ。

日本メーカー関係者らしい視点としては、「ツメで操作ができないのでは日本の女性ユーザーには受け入れられない」(E社製品企画担当)というの指摘があった。iPhoneのタッチパネルは当然のことながら、指で触って操作する。しかし、ツメを立ててしまうと、全く反応しなくなってしまう。

シャープの「W-ZERO3シリーズ」などは、タッチペンを使って操作するため、画面に圧力が加わることで反応するようにできている。当然、ツメを立てても操作が可能だ。「女性はツメが長いユーザーが多いため、ツメの先でボタンを押せる電話機でないと買ってくれない」(E社製品企画担当)。

ほかにも、「マナーモードにすると、カメラのシャッター音も消えてしまう。盗撮防止としてシャッター音を消せないようにしている日本市場ではあり得ない。また、ムービー使用時のコントラスト調整ができなかったり、フォトアルバム表示時の操作性がいまいち。細かいところまで見ると『甘い』と感じる部分がある」(C社端末戦略担当)という。

日本で大ヒットを狙うなら、今後はこのあたりを改良した方がいいかもしれませんよ、スティーブ・ジョブズCEO!

日本メーカーにiPhoneを超えるものはつくれるのか?

日本のケータイは、ワンセグやおサイフケータイ、音楽機能やフルブラウザーといったように機能がてんこ盛りだ。一方のiPhoneは、iPodという音楽機能に加えて、YouTubeやGoogleマップなどのインターネットコンテンツに対応している程度に過ぎない。機能でいったら日本のケータイが圧勝のはず。しかし、国内メーカー関係者のほとんどは「悔しいけれど、iPhoneはすばらしい」と白旗をあげた。果たして、何が違うというのか。

「例えて言うなら、日本のケータイはリフォームを繰り返した、築何十年の注文住宅なんです。どんなに、内装や外装は変えられても、基本構造の梁や柱は変えられない。一方のiPhoneはオール電化でバリアフリーが完璧のデザイン住宅。どちらが住み心地がいいのかなんて、一目瞭然です」(B社マーケティング担当)。

日本のケータイは、確かに高機能ではあるが、「もしもしハイハイ」の音声電話にメール機能を載せ、インターネットに接続できるようにして、音楽を取り込み、テレビや非接触ICを後から次々に載せてきた。まさにリフォームを繰り返してきた住宅だ。iPhoneは、いまユーザーに何が求められているかを充分に理解したうえで、設計図が引かれ、快適性にとことんこだわってつくられている。

今回、匿名を条件にiPhoneへの様々な本音を聞き取っていったが、特に印象的だったのが、国内メーカー関係者の多くが、iPhoneから「アップルの物作りに対するこだわり」を感じ取っていたことだ。以下、意見を列挙すると、

「iPhone担当者は、楽しみながら製品をつくっていたんだな、と思う」(E社製品企画担当)。

「iPhoneには、物作りに対する強い信念を感じる。タッチパッドや機能などを表面的に真似しても、iPhoneを超えるものはできない。開発者の信念がこの製品を作り上げたような気がする」(F社技術担当幹部)。

「チームワークがしっかりしている。一つのものに集中しているから、製品化を実現できたと思う。メーカーとしてのやり方を貫いている点は見習いたい」(C社端末戦略担当)

「我々も対抗できる商品をつくりたい。しかし、やるからには徹底しなくてはいけない」(D社製品企画担当)。

といった様子。国内メーカー関係者のほとんどが、アップルの開発体制を「うらやましい」と思ったとともに、悔しさを感じていた。iPhoneの登場によって、国内メーカーが奮起してくれることはとても喜ばしいことだ。

これまで国内メーカーは、年3回の商戦期のために、キャリアの意向を聞き、他メーカーの動向を横目で見て、日々疲弊しながら製品開発を行ってきた。機能競争だけでは差別化しにくくなっている今、国内メーカーに求められているのは、メーカーとしてのメッセージ性を持った製品を、じっくりと腰を据えて開発できる環境なのだろう。

iPhoneの日本上陸がいつになるのかは定かではないが、そのころには、国内メーカーからも、ユーザーの心をときめかせる端末が登場することに期待したい。


Lancer2000lancer2000 at 15:51│コメント(0)トラックバック(0)このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Clip to Evernote

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