パレスチナ議長 米大使館のエルサレム移転に警告

パレスチナ議長 米大使館のエルサレム移転に警告
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アメリカのトランプ次期大統領が、国際社会が首都だと認めていないエルサレムにアメリカのイスラエル大使館を移転するとしていることについて、パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長は、実行された場合、イスラエルの承認取り消しも検討すると警告しました。
エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地があり、イスラエル政府は首都だと主張していますが、アメリカを含む各国政府は、パレスチナ側との交渉が決着していないとしてエルサレムを首都とは認めず大使館を置いていません。

しかし、アメリカのトランプ次期大統領は、選挙戦で同盟国イスラエルをより強く擁護する姿勢を打ち出し、現在テルアビブに置いているアメリカ大使館をエルサレムに移転させると公約しています。

これについて、パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長は14日付けのフランスの新聞フィガロのインタビューで、「大使館の移転が実行された場合、アラブ諸国と対抗策について話し合うことになる。イスラエルの承認取り消しも選択肢の一つだ」と述べ、1993年の暫定自治合意に基づくイスラエルの承認の取り消しも検討すると警告しました。

2年以上も途絶えている中東和平交渉をめぐっては、15日にフランスのパリで交渉の再開を促すための国際会議が開かれる予定で、トランプ氏の就任を目前に控え、この問題についても議論が交わされる見通しです。