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アマゾン、10万人雇用創出の裏に小売業の人員削減

米国大統領選挙の後、大きく値を下げていたアマゾンの株価が戻ってきた。ザラ場では一時719ドル(約9%)まで値を下げたアマゾン株は昨日814.17ドルまで戻ってきた。

大きく値を上げた一昨日(1月12日)アマゾンは向こう1年半で10万人のフルタイム雇用者を増やし、米国での従業員を28万人に増やすと発表した。米国での雇用創出に貢献していないとトランプ次期大統領から名指しで批判されてきたアマゾンが大統領との関係改善を目指して歩み寄りを見せた一手である。

一昨日の株価急上昇と10万人の雇用増がどうリンクしたかは分からないが、多くの投資家が次期大統領の関係改善を評価したことは間違いないだろう。

だが一見良いニュースの背後には往々にして悪い事実がある。

アマゾンの雇用創出の裏には伝統的な小売業での雇用縮小がある。ウオールマートは昨年店舗従業員を7千人削減し、今月末までに1千名近い本部職員を削減する計画を立てている。大手百貨店のメーシーズは、先週数十の店舗を閉鎖し、1万人の従業員を減らすと発表した。

アマゾンのようなオンラインショップの売上高は年率25%のペースで増加しているが、実店舗での売り上げは6%以上減少しているようだ。

アマゾンはフルタイム雇用者を増やすための一つの施策は、配送センターなどで使っているアルバイト(パートタイマー)を正社員に転換することだ。

正社員化に伴うコストアップを吸収するため、アマゾンは一層売上攻勢を強めることは間違いない。そしてそれは伝統的な小売業の売上高を圧迫し、圧迫された小売業はますますリストラを迫られることになる。

大幅な雇用創出を掲げるトランプ次期大統領。だが彼がオンラインショップの巨人アマゾンの尻を叩いた結果はアマゾンの雇用増・伝統的小売業の雇用減という結果に終わりそうだ。

本当に米国全体として雇用を拡大するには、伝統的小売業から締め出された雇用者に雇用機会が提供されるかどうかにかかっているのだが、それは次の課題だろう。

なお雇用拡大に踏み切るアマゾンが未来永劫に配送センターに大量の従業員を抱え続けるかどうかは分からない。労働需給のひっ迫が賃金上昇圧力をかけ続けるならば、アマゾンは配送センターの省力化投資を進めるだろう。その結果やがては多くの仕事は機械に置き換わることになる。

マクロ的な図式でみれば、米国の小売業はオンラインショップ化が加速し、やがて出荷・配送業務の無人化が進む。実店舗もオートメーション化が進行し、雇用は減少すると捉えることができる。

アマゾンはこのトレンドを牽引し、トランプ次期大統領は結局このトレンドを後押ししたということになりそうだ。

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