小池知事、豊洲新市場土壌汚染「かなり厳しい」発言の問答詳細
東京都の小池百合子知事(64)が13日夜、BS日テレの報道番組「深層NEWS」に出演し、豊洲市場移転問題について語った。14日に公表される移転先の豊洲市場(江東区)で実施している地下水モニタリングの最終結果について、小池氏は「かなり厳しい数字が出てくる可能性が高いと思います」と述べた。今後の移転判断に大きな影響が出る可能性が出てきた。以下は主なやり取り。
―13日の金曜日ですね
「大変、いいお日柄で」
―今年度中に市場移転を判断?
「明日(14日)、大きなデータが発表されます」
―延期されたがいつ頃にか
「実は(14日に)重要な会議が開かれます。専門家会議ですね。ずっと土壌汚染の問題を中心として豊洲の問題に取り組まれ、そして地下水のモニタリングをしようと決めてずっと行ってきた。ところが五輪道路(環状2号線)を造らなくてはいけないということから、『9回目はもういいですね』という形で、(昨年)11月の移転を先に決めちゃってました。私はそこにこだわりがありまして、もう1回、9回目のモニタリング結果が明日発表になります。それがまさしく安全性の確認ということで数値、データで出てくる。それを受けて、その今後どうするのかというのを判断していく。明日(14日)の専門家会議は大変重要になってきます」
―移転の時期は14日のデータ次第?
「前回が第8回だが、これが思いの外、思いがけない数字が出てきたということもある。明日(14日)の件についても、私はかなり厳しい数字が出てくる可能性が高いと思います」
―事前報告は受けている? だいたい聞いているということか
「(うなづく)。それは正確には明日、(放送大学和歌山学習センター所長で土壌汚染に関する専門家会議座長の)平田(健正)先生の方から発表する」
―その数値によっては、移転せずに築地のままという可能性は?
「それは専門的に確認、分析した上で決めるということになるが、何よりも食の安全安心というのは特にに生鮮食料品を扱う市場なので何より優先されるべきだと思います。ましてや、土壌汚染対策ということでこれまで850億円かけているんですね。建物そのものも全体で6000億円近い費用をかけてきていて、そして、それで移転を決めたが、いまだに安全性について最終的に出ていないというのが現状です」
―食の安全という問題と、都民の懐に直結する費用の問題がある。豊洲市場の維持管理費1日あたり500万円かかる。
「500万円はかかりません。それはかなり下げると思います。ただ1日いくらかかるかもさることながら、あそこに6000億円かけているんですよ。だいたいスカイツリーが1本650億円。豊洲には10本近くスカイツリーがそびえ立っている話です」
―新国立競技場4つ分? 「おっしゃる通りですね。建物が立派でありながら、もたついているのは残念。そもそも安全という意識が、もっと最初の方から、きちんとしてたベースがなければいけなかった」
―築地市場を視察されて、補償費や維持費とか都民に跳ね返ってくる。都民の負担については?
「とても重要ですね。そもそもこれまで投資してきた分、そしてこれから1日1日かかる分。それから、市場そのものがこれからどれくらい持続可能性があるのか。つまり、今、物流そのものが大きく変わってきている中で、こうやって公的な機関で値段を決める市場と言うのは、とても意味のあることです。やはり、基本に戻って考えるべきことはたくさんあるのでは、と思っております。これまでの決定過程がどうだったかも含めて確認しないといけない」
―場合によっては、都民の負担はこれくらいかかるという説明は、今年度中にもある?
「とにかく明日(14日の)発表の数字によって、考えなければならないことが山積している」
―小池さんの表情をみると決断しやすい環境が整ったということ?
「うーん…。なかなか厳しいご質問ですね。むしろ、データできっちり判断すべきだと思っています」
―知事就任から5か月。市場問題というパンドラの箱を開けた?
「いえ、環境大臣のころから大きな課題だと思っていました。10年前の話で、本にも書いたが、この間に建物が進み、そして、土壌汚染対策というのはどんどんつぎ込まれ、この課題については、知事になって取り組まないといけない大きな課題の一つと思っておりました」
―心づもりがあっての取り組み?
「まあ、課題は十分理解していますね」
―『正直こんな中身が出てくるはめんどくさいな』という思いは?
「でも誰かが片づけないとダメでしょう。それを買って出たということです」 ―築地は大きな問題ですね
「そうですね」