金室長は「北朝鮮の核とミサイルの脅威については、フリン氏も東北アジアの平和と安定、さらには安全保障上の重大かつ緊急の懸案という考えを持っている」と伝え、その上で「北朝鮮の核開発は絶対に容認できないとする前提の下に、強力かつ実効的な制裁と圧力を加えることで、北朝鮮を非核化へと導くことにした」と明らかにした。フリン氏は会談中、トランプ次期大統領がツイッターで北朝鮮の核ミサイル開発について「そんなことはあり得ないだろう」と書き込んだことを取り上げ、北朝鮮の核開発を今後も阻止する考えを明確にしたという。
北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を使った軍事挑発を予告していることについて、金室長は「北朝鮮がミサイル発射実験を行った場合(米国から)『強いメッセージ』が発せられると思う」との考えを示したが、この「強いメッセージ」について「何をどうするかという具体的な話はまだしていない」と述べた。金室長によると、この日の会談で釜山の日本領事館前に設置された慰安婦少女像をめぐる韓日間の対立は話題に上らなかったという。
金室長は今回の訪米中にフリン氏のほか、ホワイトハウスのライス大統領補佐官(国家安全保障担当)、共和党のロイス下院外交委員長、エドウィン・フュルナー元ヘリテージ財団理事長などとも会った。トランプ氏が大統領選挙で当選して以降、韓国政府関係者がフリン氏と面会するのはこれが3回目だ。昨年11月には趙太庸(チョ・テヨン)大統領府国家安保室第1次長が、12月には韓国外交部(省に相当)の林聖男(イム・ソンナム)第1次官がフリン氏と面会している。これはトランプ次期政権も北朝鮮の核問題を深刻に受け止めていることの表れだ。 デニス・マクドノー・ホワイトハウス秘書室長も今月9日、米国PBS放送とのインタビューで「(トランプ次期大統領には)当初から北朝鮮の核問題が最優先に取り組むべき問題であることを明確に伝えてある」と語っている。