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【大相撲】

角界一の女子力誇る新関脇玉鷲 照ノ富士に完勝し4勝目

2017年1月13日 紙面から

照ノ富士(手前)を攻める玉鷲=両国国技館で(神代雅夫撮影)

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◇初場所<5日目>

 (12日・両国国技館)

 趣味が小物づくりの新関脇玉鷲(32)=片男波=は大関照ノ富士(25)=伊勢ケ浜=に勝ち4勝1敗。照ノ富士は4敗。大関稀勢の里(30)=田子ノ浦=は2横綱1大関を破っていた平幕御嶽海(24)=出羽海=に完勝。横綱白鵬らとともに5連勝とした。鶴竜は高安に屈して2連敗となった。日馬富士は隠岐の海を転がして3勝2敗で白星が先行した。

 玉鷲が右のど輪でグイグイ押していく。相手が大関だろうとも、ひるまずパワー全開で攻め立てる。照ノ富士にまったく抵抗を許さない完勝。新関脇の序盤を堂々の1敗死守だ。

 「武器になってる」という右のど輪。「やればやるほどコツが分かってきた」と、どんどんうまくなっている。

 しかも、その握力が恐るべし。「右が94キロで左が86キロ」。厚手の雑誌をビリビリと破ることもできれば、フライパンをクルクルと巻いてしまうこともできるという。

 「押すだけじゃなくて締める」。そんな握力で喉元をつかまれたら悲鳴を上げそうだ。

 有り余るパワーを土俵で発揮する姿とは裏腹に女子力は角界一。189センチ、168キロの大きな身体で、趣味はクッキーやケーキを焼いたり小物をつくったりすること。

 「お父さんが、木でいろいろつくったりするのが好きだった。お母さんも、革でジャケットとかつくってましたね」という一家に育ち、手先の器用さをそのまま受け継いでいる。

 巡業中でも裁縫道具を持参する。最近、完成させたのは子供のための世界地図。「手で縫いましたよ。そこに置ける動物の小さな顔のワッペンもつくりました」とプロ顔負けの腕前を披露する。

 ほかにも「デザインを描くのも好き」と、モンゴルの地図をモチーフにしたイラストや、かわいい鳥のイラストなど時間があれば没頭し、パソコンでアニメをつくったりもしてしまう。

 そんなギャップが魅力の玉鷲について、師匠の片男波親方(元関脇玉春日)は「精神年齢が若いというか、子供心がありますよね。だから30歳を超えても衰えない」と話し、一方で「100の力がコントロールできている。気負いもないでしょう」と大人の部分も強調する。

 先場所は小結で10勝5敗。今場所は大関とり足固めの場所。異彩を放つ大関誕生となるかもしれない。 (岸本隆)

 

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