2017年丁酉年は大韓民国の命運がかかる年だ。安保の面では、北朝鮮が5回目の核実験で核弾頭の小型化・軽量化に成功し、米国まで到達する大陸間弾道弾の実験に熱を上げている。核が米国まで達する場合、韓半島(朝鮮半島)の有事の際に米国の介入を断言できない状況になるかもしれない。北朝鮮が狙っている点だ。特に米新政権の新孤立主義と韓国のTHAAD(高高度ミサイル防衛体系)配備反対など政治地形の左傾化が重なれば、韓米同盟の亀裂など安保の面で深刻な問題が発生する可能性もある。北朝鮮の無謀な挑発警告もある。2017年は韓国の安保の重大な分岐点となる見込みだ。
経済の面では2012年からの5年間、年平均2.7%の低成長が続き、今年は2%前後へとさらに下がる見込みだ。悪化している国内外の状況を反映し、1%半ばまで急落するという見方もある。この場合、1人あたりの国民所得が2006年に2万ドル台に乗って以来2017年まで12年連続で3万ドルの壁を越えられず、先進国入りが難しくなるかもしれない。低成長の定着で良質の雇用創出が不足し、660万人の臨時・日雇いや400万人の零細自営業者など低所得世帯が増え、福祉需要が急増し、財政を脅かす。米国の利上げが続く場合、家計と企業の負債で金融問題が膨らみ、外貨流出で外貨流動性危機が発生するおそれもある。今年は韓国経済が先進国に反騰する最後の機会を生かすか、超低成長で混乱を繰り返す南米型に墜落するかの岐路となる見込みだ。
社会の面では、低賃金勤労者と零細自営業者が増え、特に青年の3人に1人が就職できない状況が長期化し、国と社会に対する不満が高まる現象を背景に、教育・文化・歴史などで左傾化が広まっている。現場では教育戦争・文化戦争・歴史戦争など左右対立が激しくなっている。その結果が最近の全国民主労働組合総連盟(民主労総)、在野市民団体などが主導するろうそく集会の外縁拡大として表れているとみられる。
韓国経済の墜落と韓国社会の広範囲な左傾化を背景に、政治の面でも左傾化が強まっている。前回の総選挙の公約を分析した結果、野党は中道左派と左派政党であり、与党までが中道右派でもなく中道派政党に分類され、韓国には右派政党がないことが明らかになった。最近の与党の分裂で大統領選挙を控えた政治地形が揺れている。一部の脱党派指導部は改革的保守という名前で野党が主張してきた社会的経済と福祉拡大を支持するなど中道左派性向であり、自由市場経済中心の純粋右派の立場が狭まっている状態だ。党を離れても真の保守右派になるわけではない。親朴・非朴派という人的グループの限界を越えて真の保守右派価値中心に再編されてこそ、韓国政治が一段階飛躍できる。
一言で安保、経済、社会、政治のすべての面で韓国は急速に左傾化している。しかし米国、英国、ドイツなどの先進国はすべて例外なく自由民主主義と市場経済が根幹だ。感情とデモよりも理性的、手続き的民主主義が尊重される自由で民主的な選挙で国民の代表を選出し、競争と効率、私有財産権を重視する市場経済を通じて良質の職場を作る。また低所得階層を勤労促進型福祉など社会安全網で包容する包容的市場経済で、繁栄した安定的な国を実現している。韓国はこうした先進国に飛躍するのか、南米型低開発国に墜落するのかの岐路に立っている。そのような意味で2017年の大統領選挙は大韓民国の命運を決める重要な分かれ目となる。ポピュリズムを排撃し、大韓民国を危機から救う最後の機会だ。
オ・ジョングン建国大特任教授/韓国経済研究院招聘研究委員
経済の面では2012年からの5年間、年平均2.7%の低成長が続き、今年は2%前後へとさらに下がる見込みだ。悪化している国内外の状況を反映し、1%半ばまで急落するという見方もある。この場合、1人あたりの国民所得が2006年に2万ドル台に乗って以来2017年まで12年連続で3万ドルの壁を越えられず、先進国入りが難しくなるかもしれない。低成長の定着で良質の雇用創出が不足し、660万人の臨時・日雇いや400万人の零細自営業者など低所得世帯が増え、福祉需要が急増し、財政を脅かす。米国の利上げが続く場合、家計と企業の負債で金融問題が膨らみ、外貨流出で外貨流動性危機が発生するおそれもある。今年は韓国経済が先進国に反騰する最後の機会を生かすか、超低成長で混乱を繰り返す南米型に墜落するかの岐路となる見込みだ。
社会の面では、低賃金勤労者と零細自営業者が増え、特に青年の3人に1人が就職できない状況が長期化し、国と社会に対する不満が高まる現象を背景に、教育・文化・歴史などで左傾化が広まっている。現場では教育戦争・文化戦争・歴史戦争など左右対立が激しくなっている。その結果が最近の全国民主労働組合総連盟(民主労総)、在野市民団体などが主導するろうそく集会の外縁拡大として表れているとみられる。
韓国経済の墜落と韓国社会の広範囲な左傾化を背景に、政治の面でも左傾化が強まっている。前回の総選挙の公約を分析した結果、野党は中道左派と左派政党であり、与党までが中道右派でもなく中道派政党に分類され、韓国には右派政党がないことが明らかになった。最近の与党の分裂で大統領選挙を控えた政治地形が揺れている。一部の脱党派指導部は改革的保守という名前で野党が主張してきた社会的経済と福祉拡大を支持するなど中道左派性向であり、自由市場経済中心の純粋右派の立場が狭まっている状態だ。党を離れても真の保守右派になるわけではない。親朴・非朴派という人的グループの限界を越えて真の保守右派価値中心に再編されてこそ、韓国政治が一段階飛躍できる。
一言で安保、経済、社会、政治のすべての面で韓国は急速に左傾化している。しかし米国、英国、ドイツなどの先進国はすべて例外なく自由民主主義と市場経済が根幹だ。感情とデモよりも理性的、手続き的民主主義が尊重される自由で民主的な選挙で国民の代表を選出し、競争と効率、私有財産権を重視する市場経済を通じて良質の職場を作る。また低所得階層を勤労促進型福祉など社会安全網で包容する包容的市場経済で、繁栄した安定的な国を実現している。韓国はこうした先進国に飛躍するのか、南米型低開発国に墜落するのかの岐路に立っている。そのような意味で2017年の大統領選挙は大韓民国の命運を決める重要な分かれ目となる。ポピュリズムを排撃し、大韓民国を危機から救う最後の機会だ。
オ・ジョングン建国大特任教授/韓国経済研究院招聘研究委員