こうした主張に対し、文在寅氏側は「合意の文言もそうだが、謝罪の真摯(しんし)さに欠けているのが問題だ」と反論している。同氏のスポークスマン的な役割を担う金慶洙(キム・ギョンス)議員は「謝罪の意味が重要なのに、果たして元慰安婦たちは日本側の見解を真の謝罪として受け入れているのか。謝罪しているという人が少女像を撤去しろと言うのはつじつまが合わない」と語った。また、別の関係者は「『軍の関与』と表現して責任の主体に関する問題をあいまいにすることにより、賠償責任を避けている。真の謝罪と反省がないと見るしかないだろう」と言った。
つまり、文在寅氏側は「謝罪の精神」、政府側は「謝罪の記録」という別の観点から議論しているわけだ。現在の状況では安倍首相が再び謝罪する可能性はほとんどない。日本のメディアによると、安倍首相は事実、慰安婦合意の翌日側近たちに「昨日ですべて終わった。これ以上、謝罪しない」と言ったとのことだ。
外交部当局者は「政府が『慰安婦合意を着実に履行しなければならない』と言い続けているのは、日本側に『謝罪と反省の精神を守れ』と要求していることと同じだ」と語った。そう言いながら、「合意時に生存していた元慰安婦46名中34人が日本政府の現金を受け取ったが、これは日本の首相名義で謝罪があったということを本人と家族が納得した結果だ。こうした点も考慮する必要がある」とも述べている。