【投稿】盲導犬は寿命短くないですよ

<tさんより>平均13から14歳だったと思います。元訓練士です。70頭以上盲導犬を送り出しました。ちなみに私は(*二階堂注:この部分、個人特定の恐れありで消去)です。

1頭目の盲導犬は15歳まで生きました。獣医からは歯も骨もしっかりしていると言われ、フードとケアが良いと言われておりました。

変なユーザーでなければ、犬は長生きです。なんせ出かけるとき以外は、家でぬくぬくしておりますし、多くは良いフード、良い医療を受けている犬です。

犬の訓練は協会によってかなり差があります。ある北関東にある協会などは訓練士が10人もいるのに、年間で2頭とか3頭とか。なんか動物保護の観点から、犬は叱らないそうで、おかげさまで犬が交差点でも止まらない、道の真ん中にでてしまうとか、危険極まりないです。そういう協会は悪評が立ちますので、まともな視覚障碍者は犬を持ちたがらない。

変なのがアクセサリー感覚とか、犬がいると優しくしてもらえるみたいな理由で盲導犬ユーザーになるので、結局扱いが悪く、あっちこちで失敗を繰り返す。視覚障碍者より犬の方が擁護される存在のようで、これでは補助金のほとんどは人件費消えますね「(笑)」この前ホームから落ちて死んだのも、左に犬がよらなくてはいけない状態で、右のホームに落ちています。

犬が仕事していないんですね。ホームドアの問題ではないです。あの使用者はいくつか事業所を経営していたそうですね。能力面ではかなり高い人物だったようです。

全盲の視覚障碍者は1パーセントくらいしか社会で収入を得ていません。そういう現実から鑑みると、死亡した男性の能力値は高かったのでしょう。犬が右に大きくよったあげくに、ホームに落ちたのは、おそらく協会の訓練方法に問題があったのでしょう。
なんせ右手でも左手でもハーネスを持って歩けることを売りにしていた協会です。

私の理解では、犬は空間認知をするのに、右左自由自在に、ユーザーの体の位置関係まで踏まえて、情況把握しながら危険を回避できるほど、知能が発達していません。犬の知能は3歳児程度です。犬はかなり厳しく訓練されていないと、言うことをききません。危険です。動物愛護なんて糞くらえです。左なら左、右なら右、常に片側に寄ることを体に叩き込むから、外海からはきちんと誘導できているように見えるのです。

そうした特性をユーザーが理解しているから盲導犬歩行が可能なのですが、訓練する側にそういう理解がないと、有能な視覚障碍者が犬を使っても、死にますね。

犬が賢いからまともに歩けているんじゃないです。犬は厳しく訓練されていることが前提で、視覚障碍者が能力があり、収入がある程度あるから、盲導犬と生活できるんです。何もできない人は本当に何もできません。それが日本の盲学校教育の現実です。

(コメント)盲導犬と警察犬で私の理解が違ったのかもしれません。某警察の捜査犬は非常に短い時間しか現役でやれない、と聞いたもので。。。

それにしても、能力と収入がないと盲導犬は飼えないというのは知りもしませんでした。なんとなく「ほしい人にいきわたらない」程度の話の理解でした。

 盲学校教育は確かに進んでないと思います。特別支援学級の設置が関係法令で定められたにもかかわらず、特別支援学級の免許がなくてもその指導はできる、となっていますよね。じゃぁ、何のために分けてるんだという話になるわけですが。

 そもそもをいえば、日本の公教育自体を激変させなければ、なかなか行きわたらないのかもしれません。高コストになる障碍者教育を普通の先生がやってもいつかは限界が来る。特別な施設で特殊な教育を選ぶことができる、とかできればいいのでしょうけど、日本ではなかなかそういうことはできない。平等じゃないとかなんだとかかんだとか、まず文句とできない理由を探すだけ。もちろん予算措置が絡みます。財務省なんて障碍者は「コスト」としかみなしていませんから、金が出ない。金が出ないところに新しい教育もできないだろうし人も配置できません。

 本来このような社会保障の問題こそ新聞やテレビが報道して問題提起してしかるべきなのに、誰かがくっついたの別れたのとかくだらないことばかり流しているからいけない。まぁ大手3社くらいはある程度調査報道はやっていると思いますが、それで何かが変わらなければ単なるマスコミの自己満足に過ぎません。

 私には調査報道をやる余裕はないですが、こうやって記事を紹介することくらいはできます。みんながそれなりにちょっとずついい社会にしようとすればおのずとよくなるのでしょうけど、もう残念ながらそんな社会じゃない。てめぇらが生きていくので精いっぱいの人ばかり。

 その世の中を嘆いても始まらないし、「できることをできる人ができる限りやる」ということでしか、いろんな不便を解決することはできません。まぁ人間、障碍者だろうが健常者だろうが何かしらの不満や不信はあります。全くない人なんて1%もいないでしょう。だから少しのやさしさを誰かに与えることをみんなでやればいいのですがね。なかなか、それも、難しい。

 結局行きつくところは「カネ」になるのですが、それでも全員の不満は救えない。答えの出ない問題で、考えさせられます。

-The Voice of Japan