【ワシントン清水憲司】米ネット通販大手アマゾンは12日、今後1年半で米国内で10万人超の雇用を創出すると発表した。ベゾス最高経営責任者(CEO)は選挙中、トランプ次期米大統領と対立していたが、米経済への貢献をアピールすることで協力関係を構築する狙いがありそうだ。
アマゾンは米国内での配送迅速化を目指し、全米各地に配送センターを建設している。発表によると、10万人の雇用は配送センター新設など物流網充実のほか、人工知能(AI)などの技術開発、クラウドサービス事業の拡充で生み出す方針だ。ベゾス氏は声明で「アマゾンは本社のあるシアトルやシリコンバレーだけでなく、全米で雇用を生み出してきた」とし、トランプ氏が重視する国内雇用への貢献を強調した。
ベゾス氏は米紙ワシントン・ポストのオーナー。トランプ氏は選挙中、自らに批判的な同紙の論調を嫌い、ベゾス氏に対し「納税額を減らすため同紙を通じ政治力を行使している」と述べ、当選すれば独占禁止法違反に当たらないか調査する可能性を示唆するなど脅しをかけていた。