【社説】防空識別圏に韓中日から50機出動しても関心を示さない韓国

 中国の攻勢はとりわけ韓米日3カ国体制で最も弱いとみられる韓国に向けられている。そのために中国はまず韓米同盟を崩壊させ、三角の中からまずは韓国を離脱させようと動いているのだ。米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍配備に反対することで韓国に圧力を加えているのも、韓国を自分たちに従わせるためだ。中国が海上と空で行う軍事行動は、今後もTHAAD配備が近づくにつれその脅威も高まってくるだろう。中国の空母が西海ではなく近く東海に出現する可能性も決して排除できない。

 ところが韓国の政界ではこれら一連の中国の動きに誰も関心を示そうとしない。われわれ同士で互いに相手を攻撃するばかりで、周囲に何が起こっているのかさえ把握できていないのだ。韓国国防部(省に相当)は中国の爆撃機を含む軍用機による防空識別圏侵入を10時間以上にわたり隠していたが、日本で報じられたことで一連の事実を認めた。これでは国全体がどこかおかしいと言わざるを得ない。早急に正常化しなければ、韓国は今後も中国からどのような仕打ちを受けるか分からないだろう。今回の中国軍用機による防空識別圏侵入を受け、昨日は韓半島周辺で韓国、中国、日本の3カ国の軍用機50機以上が同時に出撃する事態がしばらく続いたわけだが、これは韓半島周辺の不安定な情勢を赤裸々に示す形となった。このような安全保障上の危機を今後いかにして克服すればよいのか。その道筋さえ全くもって見えてこないのが残念ながら今の韓国の実情だ。

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