魔法少女リリカルなのは 原初の勇者 作:黒色狼
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今回もだらだら進めていきます。
作者は早くヴィヴィオを出したい……
第5話作者は早くヴィヴィオを出したい……
ギラギラと太陽が射し込んでくる。だが不思議と暑さは殆ど感じない。
光を反射し美しく辺りを流れる水、そこから冷んやりとした空気が街全体に流れ心地良い気温となっている。
そんな街中を一人、肩を落とし歩いている者がいる。
「やっちゃったよぉ〜、私何で逃げちゃったんだろ…」
[元気を出して下さい、でも嬉しかったんでは無いですか?]
「…うん、とても優しくて暖かかった…」
ユウに抱き締められていた時、何と無く懐かしい感じがしていた。
心の奥から自分の全てを暖かく包んでくれて いる様にも感じる。大怪我をして以来、なのはは自分から何か大切な物が抜け落ちている気がして来た。心の大事な部分が大きく穴が空いた様な感覚だ。
けれどそれが何なのかが分からない。思い出そうにも何も思い出せないし、何か思い出せそうになっても頭に靄が掛かってしまい後一歩のところで思い出せないとてももどかしい状態なのだ。
何故かユウに抱き締められた時も何かが頭に浮かんで来ようとしていたが結局、靄がかかりそのイメージも霧散してしまった。
「ユウに抱き締められた時、恥ずかしかったけどなんだか懐かしい感じがしたんだ…」
[それはあの映像の少年を見ている時と同じような感じですか?]
「うん、初めて会った時もそんな感じがしたし……」
なのはは他にもそういう風に感じるものがある、それはPT事件、闇の書事件の時にレイジングハートやバルディッシュといったデバイスに録画され映っている少年の事だ。
映っているといっても解像度は何故か、かなり悪くノイズが掛かり誰なのかは全く分かっていない。
どのデバイスもその少年が映っている場面は丸ごと映像が駄目になっていたりノイズが掛かりまともに見れる物がない。
何故そんな事になっているかは優がしたからなのだがそれを知る者はリニスとデュナミスしか今のところ知る者はいない。
「そういえば、今回同行する執務官ってフェイトちゃんだったんだね」
[そのようですね、私も久しぶりとバルディッシュと会えて嬉しいです」
確かにお互いに管理局の仕事が忙しく久しぶりの再会だ。その久しぶりの再会で早速情けない姿を晒しまってる。
それもなのはらしいのだが。
「取り敢えずユウに連絡して合流しよう。レイジングハート、お願い出来る?」
[分かりました、今からデュナミスに繋ぎます]
レイジングハートはそう言って通信をデュナミスに繋いだ。
すると画面にユウが映し出された。
『丁度良かった、今僕も通信を繋ごうと思っていたところなんだ』
「ごめんなさい、私どうかしちゃってて…」
『いやそれに関しては僕もてデリカシーが無さすぎた、ごめん』
実はあの後、デュナミスに抱き締めていた事を茶化され意識した時、やってしまったとうな垂れたのだがなのはには内緒だ。
すると画面にユウと一緒にフェイトが映し出された。
「あれ?フェイトちゃん、何でユウと一緒にいるの?」
『あの後色々あって私とユウさんは別行動になったんだ、それで今は2人で一緒になのはを捜して街を歩いてたの』
ユウとフェイトちゃんが2人で?一緒に?
そう聞いた時、胸がチクっと痛んだ。
何だかよく分からないけどこのまま二人を一緒にしたら不味い、したくないと思った。
「そ、そうなんだ…」
『それじゃあ待ち合わせ場所は……でいこう。じゃあまた後でね』
そう言って通信は切れたが途中からなのはの耳には言葉は入って来ていなかった。
それでところではない、早くあの二人の元に行かないと嫌な予感がする。
「レイジングハート、道案内お願い!」
[分かりましたがそんなに慌てなくても…]
「ううん、嫌なの。あの二人が今も一緒にいると思うとこう…胸が痛いの。それに何だかやな予感がして…」
こういう時の女の勘は凄く当たるものだ、そう今こそフェイトに記憶が無いがフェイトも優に惚れていた口だ。
今は他人だがあのユウと一緒にいて何も無いと言い切れるだろうか?ああ見えてフェイトには男性への耐性が無く案外ころっと落ちてしまうんではないかとなのはは危惧している。そのフェイトにユウが一緒なのだからこれは非常に不味い。
レイジングハートから映し出されるディスプレイに表示されている待ち合わせ場所になのはは大急ぎで向かうのだった。
なのはが大急ぎで目的地に向かっている頃、ユウとフェイトはそんななのはの心境を知らず呑気に歩いて目的地に向かっていた。
「へぇ〜、じゃあ私とユウさんは同い年だったんですね」
「うん、僕も最近になってなのはと同い年って知ったんだ」
「そうなんですか?パートナーとなったとは1ヶ月前に聞いてましたけど…」
「そうなんだけどね、仕事も忙しかったのもあるけどなのはも緊張してたのかガチガチだったし余裕が無かったんだと思うよ」
割とあっさりフェイトはユウに打ち解けていた。この光景をなのはが見たらどう思うだろうか。自分はそこまでいくのに1ヶ月を有したというのに…
「あの、ユウさん。管理局の本部から無理難題の任務を良く押し付けられるって本当ですか?」
「…それはなのはから聞いたの?」
フェイトは首を縦に振り肯定する、また余計な事を喋ってくれたもんだ。基本的にその任務は機密事項扱いなので他言無用なのだがこうして知られてしまっては仕方がない。フェイトは執務官としてそういう事は許せ無いのだろう。
「もし良かったら私が……」
「無駄だよ、この任務を回してくる上層部の人間は皆裏で動いている者たちばかりだ。下手に刺激すれば君の立場が危うくなる」
「だけど!」
「僕は現にもう何度か管理局上層部の手の者に襲われている。もしかしたら……この任務もその類のものかもしれない」
「そんな……」
それを聞いたフェイトは口に手を当て驚愕する。無理もない、フェイトのような人にはそういう管理局の黒い部分は本来知られない。しかし、執務官として管理局に所属しているのだから遅かれ早かれその汚さと理不尽な事にぶち当たる事になるだろう。
まさに今がその時なのかもしれない。
「もしそうなら僕は君やなのは、103航空隊のみんなを巻き込んだ事になる。…だけど僕が纏めて守ってみせる、その為だけに僕は頑張ってきたんだから」
そうやって言うユウの笑顔は何処か悲しみが含まれているようにフェイトは感じた。
直感で感じたのだ、この人は悲しい、辛い過去を背負っているのだと。
しかし自分はこの人にかける言葉を持っていない、目の前の人は心を消耗させてでも何かを成そうとしているのにその者にしてあげれる事がない。
それでも必死に何か言おうと口を開いたり閉じたりしていると、
「あっ……」
「大丈夫、君が僕の事を心配してくれてるのは伝わってるよ。それだけで僕は十分だ」
突然、頭に手を置かれ撫でられ笑顔でそう言ってきた。
その笑顔は先ほどの悲しいは感じられず、その代わりに優しさが凄く篭った笑顔だった。
フェイトは突然だったのでびっくりしたのだが不思議と嫌な気持ちはしなかった。
それどころか心が暖まり何だか懐かしい、そう思った。
だがいつまでも撫でてくれるユウ、嬉しいのだが流石に恥ずかしくみるみるうちにフェイトの顔は赤くなり耳まで赤くなった所で、
「あっ、あの……は、恥ずかしい…です…」
フェイトはもじもじしながら上目遣いで消え入りそうな声でそう言った。
「ご、ごめん!嫌だったかな?」
「そ、そんな事はないです!寧ろ嬉しかったかな…」
なんとも言えない気不味い雰囲気が流れる中、気が付けばなのはが見ていた事に気がつく。
「なのは⁉︎こ、これはね……」
「フェイトちゃんの……フェイトちゃんの馬鹿ぁ〜〜!」
運悪く、その場面に出くわしたなのはだったがまたどこかに走っていってしまった。
[はぁ、本当にユウは…]
「えっ?僕が悪いの!」
[はい、貴方が100%悪いです]
デュナミスにそう言われたが理解できないという顔をするユウだ。
結局その後、時間になるまでなのはを捜し機嫌を直すのに苦労したのは言うまでもない。
光を反射し美しく辺りを流れる水、そこから冷んやりとした空気が街全体に流れ心地良い気温となっている。
そんな街中を一人、肩を落とし歩いている者がいる。
「やっちゃったよぉ〜、私何で逃げちゃったんだろ…」
[元気を出して下さい、でも嬉しかったんでは無いですか?]
「…うん、とても優しくて暖かかった…」
ユウに抱き締められていた時、何と無く懐かしい感じがしていた。
心の奥から自分の全てを暖かく包んでくれて いる様にも感じる。大怪我をして以来、なのはは自分から何か大切な物が抜け落ちている気がして来た。心の大事な部分が大きく穴が空いた様な感覚だ。
けれどそれが何なのかが分からない。思い出そうにも何も思い出せないし、何か思い出せそうになっても頭に靄が掛かってしまい後一歩のところで思い出せないとてももどかしい状態なのだ。
何故かユウに抱き締められた時も何かが頭に浮かんで来ようとしていたが結局、靄がかかりそのイメージも霧散してしまった。
「ユウに抱き締められた時、恥ずかしかったけどなんだか懐かしい感じがしたんだ…」
[それはあの映像の少年を見ている時と同じような感じですか?]
「うん、初めて会った時もそんな感じがしたし……」
なのはは他にもそういう風に感じるものがある、それはPT事件、闇の書事件の時にレイジングハートやバルディッシュといったデバイスに録画され映っている少年の事だ。
映っているといっても解像度は何故か、かなり悪くノイズが掛かり誰なのかは全く分かっていない。
どのデバイスもその少年が映っている場面は丸ごと映像が駄目になっていたりノイズが掛かりまともに見れる物がない。
何故そんな事になっているかは優がしたからなのだがそれを知る者はリニスとデュナミスしか今のところ知る者はいない。
「そういえば、今回同行する執務官ってフェイトちゃんだったんだね」
[そのようですね、私も久しぶりとバルディッシュと会えて嬉しいです」
確かにお互いに管理局の仕事が忙しく久しぶりの再会だ。その久しぶりの再会で早速情けない姿を晒しまってる。
それもなのはらしいのだが。
「取り敢えずユウに連絡して合流しよう。レイジングハート、お願い出来る?」
[分かりました、今からデュナミスに繋ぎます]
レイジングハートはそう言って通信をデュナミスに繋いだ。
すると画面にユウが映し出された。
『丁度良かった、今僕も通信を繋ごうと思っていたところなんだ』
「ごめんなさい、私どうかしちゃってて…」
『いやそれに関しては僕もてデリカシーが無さすぎた、ごめん』
実はあの後、デュナミスに抱き締めていた事を茶化され意識した時、やってしまったとうな垂れたのだがなのはには内緒だ。
すると画面にユウと一緒にフェイトが映し出された。
「あれ?フェイトちゃん、何でユウと一緒にいるの?」
『あの後色々あって私とユウさんは別行動になったんだ、それで今は2人で一緒になのはを捜して街を歩いてたの』
ユウとフェイトちゃんが2人で?一緒に?
そう聞いた時、胸がチクっと痛んだ。
何だかよく分からないけどこのまま二人を一緒にしたら不味い、したくないと思った。
「そ、そうなんだ…」
『それじゃあ待ち合わせ場所は……でいこう。じゃあまた後でね』
そう言って通信は切れたが途中からなのはの耳には言葉は入って来ていなかった。
それでところではない、早くあの二人の元に行かないと嫌な予感がする。
「レイジングハート、道案内お願い!」
[分かりましたがそんなに慌てなくても…]
「ううん、嫌なの。あの二人が今も一緒にいると思うとこう…胸が痛いの。それに何だかやな予感がして…」
こういう時の女の勘は凄く当たるものだ、そう今こそフェイトに記憶が無いがフェイトも優に惚れていた口だ。
今は他人だがあのユウと一緒にいて何も無いと言い切れるだろうか?ああ見えてフェイトには男性への耐性が無く案外ころっと落ちてしまうんではないかとなのはは危惧している。そのフェイトにユウが一緒なのだからこれは非常に不味い。
レイジングハートから映し出されるディスプレイに表示されている待ち合わせ場所になのはは大急ぎで向かうのだった。
なのはが大急ぎで目的地に向かっている頃、ユウとフェイトはそんななのはの心境を知らず呑気に歩いて目的地に向かっていた。
「へぇ〜、じゃあ私とユウさんは同い年だったんですね」
「うん、僕も最近になってなのはと同い年って知ったんだ」
「そうなんですか?パートナーとなったとは1ヶ月前に聞いてましたけど…」
「そうなんだけどね、仕事も忙しかったのもあるけどなのはも緊張してたのかガチガチだったし余裕が無かったんだと思うよ」
割とあっさりフェイトはユウに打ち解けていた。この光景をなのはが見たらどう思うだろうか。自分はそこまでいくのに1ヶ月を有したというのに…
「あの、ユウさん。管理局の本部から無理難題の任務を良く押し付けられるって本当ですか?」
「…それはなのはから聞いたの?」
フェイトは首を縦に振り肯定する、また余計な事を喋ってくれたもんだ。基本的にその任務は機密事項扱いなので他言無用なのだがこうして知られてしまっては仕方がない。フェイトは執務官としてそういう事は許せ無いのだろう。
「もし良かったら私が……」
「無駄だよ、この任務を回してくる上層部の人間は皆裏で動いている者たちばかりだ。下手に刺激すれば君の立場が危うくなる」
「だけど!」
「僕は現にもう何度か管理局上層部の手の者に襲われている。もしかしたら……この任務もその類のものかもしれない」
「そんな……」
それを聞いたフェイトは口に手を当て驚愕する。無理もない、フェイトのような人にはそういう管理局の黒い部分は本来知られない。しかし、執務官として管理局に所属しているのだから遅かれ早かれその汚さと理不尽な事にぶち当たる事になるだろう。
まさに今がその時なのかもしれない。
「もしそうなら僕は君やなのは、103航空隊のみんなを巻き込んだ事になる。…だけど僕が纏めて守ってみせる、その為だけに僕は頑張ってきたんだから」
そうやって言うユウの笑顔は何処か悲しみが含まれているようにフェイトは感じた。
直感で感じたのだ、この人は悲しい、辛い過去を背負っているのだと。
しかし自分はこの人にかける言葉を持っていない、目の前の人は心を消耗させてでも何かを成そうとしているのにその者にしてあげれる事がない。
それでも必死に何か言おうと口を開いたり閉じたりしていると、
「あっ……」
「大丈夫、君が僕の事を心配してくれてるのは伝わってるよ。それだけで僕は十分だ」
突然、頭に手を置かれ撫でられ笑顔でそう言ってきた。
その笑顔は先ほどの悲しいは感じられず、その代わりに優しさが凄く篭った笑顔だった。
フェイトは突然だったのでびっくりしたのだが不思議と嫌な気持ちはしなかった。
それどころか心が暖まり何だか懐かしい、そう思った。
だがいつまでも撫でてくれるユウ、嬉しいのだが流石に恥ずかしくみるみるうちにフェイトの顔は赤くなり耳まで赤くなった所で、
「あっ、あの……は、恥ずかしい…です…」
フェイトはもじもじしながら上目遣いで消え入りそうな声でそう言った。
「ご、ごめん!嫌だったかな?」
「そ、そんな事はないです!寧ろ嬉しかったかな…」
なんとも言えない気不味い雰囲気が流れる中、気が付けばなのはが見ていた事に気がつく。
「なのは⁉︎こ、これはね……」
「フェイトちゃんの……フェイトちゃんの馬鹿ぁ〜〜!」
運悪く、その場面に出くわしたなのはだったがまたどこかに走っていってしまった。
[はぁ、本当にユウは…]
「えっ?僕が悪いの!」
[はい、貴方が100%悪いです]
デュナミスにそう言われたが理解できないという顔をするユウだ。
結局その後、時間になるまでなのはを捜し機嫌を直すのに苦労したのは言うまでもない。
次でようやく話が進みます。