魔法少女リリカルなのは 原初の勇者   作:黒色狼
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今回もまったりいきますよ。


第6話



「ねぇ、なのは。どうして怒ってるんだよ?」

「ふんっ、ユウなんてフェイトちゃんとずっと仲良くしてればいいんだよ」


あの後、なのはを見つけたのは良いのだが今の今まで機嫌が直って居らず時間も時間なので103航空隊のみんなとも合流したのだがそれでも機嫌を直してくれないのだ。
ユウはというと何故そんなにも怒ってるのか分かっていないのでどうしようも出来ない。

「なぁ、ユウ。お前またなんかやらかしたのか?」

「そんな事は無いと思うんですが……」

リーガルはどうせまたこの鈍感野郎が何かやったのだと確信していた。
その証拠になのははまだ怒っているがフェイトのユウを見つめる視線は何処か熱っぽい。
あっ、此れはまたフラグを……隊長含め103の隊員達はそう心の中でハモるのであった。


[簡単に言うとフェイトさんと二人で居るところをなのはさんに見られ、しかもその場面がフェイトさんを口説いてる所だったという事ですね]

「お前なぁ!いい加減なことを言うんじゃない、僕はただフェイトさんと喋っていただけじゃないか」

[ただ喋るのに守るとか言ったり頭を撫でたりとかしますか?]

「しない……の?」

[しません]

何故か持ち主よりデバイスの方が常識があるようだ。後ろの方からはあぁ成る程そうやって落としたのか等聞こえてくる。
103航空隊の隊員は幾度とも無く無自覚に落とされていく女性を見てきている訳だが敢えて傍観している。
何故かって?それは決まっている。面白いからだ!と隊長と隊長達は語る。


「あの、フェイトさん。本当にごめん。僕は本当にデリカシーに欠けているようだ…」

「は、はい!い、いえそんな事はないですよ!全然気にしてませんから!」

いきなりユウに喋りかけられたのでビクッとなってしまったフェイト。
懸命に冷静を装って居るようだが顔は赤く首と手をブンブン振っているところを見るに冷静とは到底言えないだろう。

「その……良ければ私の事はフェイトと呼んで下さい。なのはの事も名前で呼んで居るみたいですし…それで今回の事は無しという事で!」

「えっ?そんな事でいいの?うん、分かったよフェイト」

どうやらフェイトはなのはよりは度胸があるようだ。目をギュと閉じそう振り絞るように言うフェイトを見るにとても頑張ったのだろう。
そして名前で呼ばれた時、フェイトは本当に嬉しそうだった。

「うう〜〜」

フェイトとユウがいちゃついている時、不意にユウが視線を感じると其処には二人を睨むなのはの姿があった。

「えーと、なのは?どうしたの?」

「フェイトちゃん……まさかと思ったけど早すぎるよ……」

「??」

どうやらフェイトは自分がユウに惹かれ始めている事に自分では気が付いていないようだ。なのはの予想通りあの二人でいた僅かな時間で見事にフェイトは撃墜されたようだった。

「ユウもユウだよ、本当にフェイトちゃんと仲良くしちゃってさ」

「うっ⁉︎そんなに怒らないでくれよ、何でも言うこと聞くから…」

そうユウが口にした時のなのはの反応はそれはユウが全力で動く並みに速かった。

「本当!何でも聞いてくれるの!」

「う、うん」

「じゃあ……私にもフェイトちゃんみたいに頭を撫でて!」

「へ?それだけ?」

かなりの剣幕で迫られたのでどんな要求が来るのかドキドキしていたのだがその要求が頭を撫でてくれだったのでユウはそれだけかと安心した。
いやいや、充分ハードル高いだろ……103航空隊のみなはまた心が一つになった。

「じゃあ、失礼して…」

「ふにぁぁぁ〜〜」

そう言ってユウが頭を撫でると、途端になのはが幸せそうで蕩けそうという顔でにやけていた。

「…………」

そしてそれを無言で鋭い目付きで見つめるフェイト。だがこの甘い雰囲気の装甲はそんな鋭い視線もシャットアウトしてしまうようで二人は気付かない。
103航空隊のみなは、これが修羅場か!、俺はフェイトさんに賭けるわ、いや俺はなのはさんに賭けるなど言っていて本当に呑気だった。
















そんな風にカオスな雰囲気で王宮に向かっていた一同だったが王宮に着いた時にはそんな雰囲気は一切なく全員が管理局員の顔付きになっていた。王宮はウミリアで最も高い場所にあり、見た目はそんなに派手では無いが建物にも水が流れている様で光を反射し輝いている。大きさも相当で管理局本部程あるのではないかと思わせる程だ。これは迷子にでもなれば捜すのはとても大変だろう。

「ようこそ、おいで下さいました。私は王に貴方方の案内を任されておりますソログ ロインダーと申します。どうぞ此方に」

そんな王宮の前に待っていたのはこの世界の正装だろうか?青と白といった色が付いた長いローブの様な物を纏い所々に不思議な模様が形どっている服を着た男がそう言って中に招かれた。
中にも水が流れているようで耳を済ますと水の流れる音が聞こえとても心安らぐ空間だった。天井までがとても高くそのせいか部屋自体とても広く感じる。



「部隊長 リーガル ロウ殿と副隊長ユウ レグラス殿、そしてフェイト テスタロッサ執務官は私に着いてきて下さい。あと他の人達は別室に」

少し進み廊下に出た所で分けられユウ達はまた一層広い部屋で扉に綺麗な装飾が施された場所まで連れて来られた。
恐らくこの綺麗な装飾が施されている扉の先に王がいるのだろう。

「失礼します。部隊長、副隊長及び執務官をお連れしました」

「ああ、済まなかったな。私がウミリア王のセネゲル U グランディールだ。早速で悪いが直ぐに護衛の任に着いて欲しい」

そうやって部屋の中に入ると其処は広いが広過ぎない丁度いい空間で奥に王の職務用の机と椅子らしき物がありその右手前に大きめの机と椅子が沢山あり其処に王がいた。
そこに座り早速護衛が欲しいという話になる。

「それは構いませんが具体的に私達はどうすれば良いのでしょうか?」

「そうだな、襲撃予告には私と此処にある生命の湧き水を襲うとの事だ。だからこの王宮の周り、中、そして私の周り、最後は地下にある生命の湧き水の前を固めて欲しい。王宮の周りと中に関しての配置は其方に任せる」

「分かりました、では王の周りには…」

「それは出来ればユウ レグラスに着いて欲しい。貴方の活躍は此処まで聞き及んでいる、是非とも私の事は護衛をして欲しい」

「とても光栄ですが私は調査の方につきたいと思っています。私の魔法は隠密に優れてますので。王の周りには部隊長が付きますので戦力的にも問題ないでしょう」

ユウに護衛に着いて欲しいと言ってくるセネゲルにユウは断りを入れる。それを聞いた瞬間、一瞬だけ顔付きが険しくなったが直ぐに元に戻ってそうかとだけ言って話は進んでいく調査するのに王宮を歩いて回る許可や立ち入り禁止場所などを聞くフェイト。そして次にセネゲルが、

「生命の湧き水にも多めに護衛を配置して頂きたい。あれはウミリアの宝だ。」

「分かりました、部屋の中には護衛は…」

「それは構わない、済まないが国家秘密でな中に入れる事は出来ない」

生命の湧き水、それはウミリアの水の始まりとも言われている水源だ。
詳しい事は伏せられているのでユウ達にも分からないがウミリアの宝と言っていてこの王宮の地下にある程の厳重なのだから余程大事なのだろう。

「ではこの後、早速配置につけましょう」

「ああ、頼んだぞ」

『失礼しました』

そうやって王の部屋を後にする3人。皆んなが待つ部屋に向かう途中でリーガルがユウに話しかける。

「ユウ、お前はどう感じた」

「やはり裏があるかと、自分の周りに私を付けようとして断られた時の顔は明らか不自然でした。それに宝だと言うのに中に配置しないのは無謀ですそれ以外にも指摘したい所はありますが目立ったのはこんな所です」

「そうだな、やはりこれは裏があると見て確かだろう。やっぱりお前をそっちに回したのは正解だったな」

「えっ?二人とも何でそんな風に…」

「フェイト、これは経験みたいな物だよ。後ろめたい事が無ければ変に顔に出る事はないけどあの人は完全に不自然だったし、可笑しいところも多かった。フェイトも経験を積めばそれぐらい分かる様になるよ」


やはり流石は103航空隊だと思ったらフェイト。ユウは簡単に言うが人の微妙な変化を見抜くのは凄く難しい。あの場で緊張していたフェイトには全く分からなかった。それを普通にやってのけてしまう二人は本当に凄いと素直に思った。
リーガルは早速、部隊で話をすると先に行ってしまった。

「フェイト、早速僕らもなのはを読んで調査を始めよう」

「は、はい!」

(本当に凄いなぁ、私も頑張らないと!)


そんな頼りになるユウの姿をみてより一層頑張ろうと気合を入れるフェイト。
こうしてウミリアの調査が始まった。




一つ言わせてもらおう、この作品のヒロインはなのはだ!

フェイトさんばかり目立つ始末ですが……ヒロインはなのはですw