魔法少女リリカルなのは 原初の勇者 作:黒色狼
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前半はほぼ説明などです。
正直書かなくても良かったかなと思っている←
後半は戦闘模写があります。
第2話正直書かなくても良かったかなと思っている←
後半は戦闘模写があります。
「どうしてこうなったんだ…」
[まあそう言わずに、程良く手加減して早めに終わらせましょう]
周りは廃ビルなどで覆われており一目見れば廃墟だと分かる場所にレンは立っている。
そして今の姿は左手に銃、右手に剣のレイを持ちいつも通りの姿でいつでも戦闘に入れる状態だ。
実は此処は機動六課の訓練施設。
高町なのは完全監修の空間シュミレーターで様々な場所にする事が出来る優れ物だ。
何故こんな事になっているのかというと時間を遡る事40分前…
今、レンはなのはと六課の廊下を歩いている。今からフォワード達の訓練をするなのはについて行って彼等に紹介して貰う為だ。
仮にも同じ機動六課に所属する者なのだ、こういったコミュニケーションは大事だしはやてにも挨拶するよう言われているのでなのはに着いて行く事になったのだ。
「レンさんが六課に来てくれるなんて心強いです、頼りにしてますね」
「いや、僕はそんな大層な人じゃないよ。けど僕も、もう機動六課の一員だ。出来るだけの事はするし正規の局員じゃない僕は事務仕事は無いから何かあったら僕が力になるよ」
廊下を歩きながら話す二人。
レンは民間協力者という形で機動六課に入隊している。
なので事務仕事などの面倒な仕事は無く現場に出向く機会が無ければ基本的に暇なのだ。
「う〜ん、じゃあ偶にで良いですから新人フォワードメンバーの訓練を見てあげてくれませんか?多分あの子達も喜びます」
「うん、そんな事で良いなら」
次元世界最強と呼び声が高いレンが訓練を見てくれるのだ、それを嬉しく思わない者などそういないだろう。
特にやる事も無いレンはそれを受け入れた。
それからしばらく歩くと前方に4人で何やら話し合っている子達を見つけた。
「こんな所に居たんだ、もう自己紹介なんかは済んだのかな?」
「はい、得意魔法やコールサインなどは確認しました」
そうオレンジ色の髪をツインテールにしている女の子がそう言った。
どうやらこの4人がフォワードメンバーで新人のようだ。するとその内の二人がなのはの後ろにいるレンを見て、
「レンさん⁉︎」
「レンさん!」
「うわぁっ」
ピンク色の髪の小さな女の子はレンを見つけると名前を呼びそのままレンに向かってダイブして来た。
レンは急だったのでびっくりしたがその女の子が軽かったのもあり無事胸に受け止める事が出来た。
同じようにレンを見て驚いていたのはこのメンバーの中では唯一の男でレンに抱き着いてきた女の子と同じぐらいの年だろうか、背丈も抱き着いてきた女の子と同じぐらいだ。
「レンさん、久しぶりですね♪」
「キャロじゃないか⁉︎久しぶりだね。まさかキャロも六課に入ってた何て知らなかったよ」
レンの胸の中でそう笑顔で言ってきたのはキャロ ル ルシエ。
とある理由で故郷を追い出され彷徨っている所をレンが保護したのだ。それから少しの間行動を共にしていたのだがレンは管理局からの任務で長期間、危険地帯に行かなければなら無い事が多かったので管理局に預けて以来だ。
「レンさん、僕の事は覚えてくれてますか?」
「ああ、覚えてるよ。エリオだよね?」
「はい、そうです!その節はフェイトさん共々ご迷惑をお掛けしました…」
彼はエリオ モンディアル。
彼の出生は複雑なものでそれを理解し立ち直るのにかなりの時間を有した。
そんな出生の為、ある研究機関に監禁され非人道的な実験をされていたのだが執務官であったフェイトと共にその研究機関を摘発。
エリオを救助するも重度の人間不信に陥っていたエリオはとても攻撃的で今の性格とは考えられ無い程荒れていたのだ。
「えぇー、二人ともレン クルーガーさんと知り合いなの⁉︎」
「ちょっとスバル、煩いわよ。レンさんに失礼でしょ!」
「えっと…君達は…」
「私はティアナ ランスター二等陸士です。レンさんのご活躍は良く耳にします」
「わ、私はスバル ナカジマ二等陸士です!」
オレンジ色の髪でツインテールにしている女の子はティアナ ランスター。
青色の髪の子はスバル ナカジマというらしい。
ティアナの目は何処かキラキラ輝かせレンを見ている。
「ティア、憧れのレンさんが目の前にいるからって…」
「スバル、うっさい!」
どうやらティアナはレンに憧れを抱いているようだ。
ティアナが使うのは銃のデバイスで幻術魔法も得意としている。実はそれらもレンを見て憧れて鍛錬を行い身に付けたものだったりする。
そうレン自身、銃型のデバイスも使うし幻術系の魔法も得意なのだ。
「どうやら皆んなレンさんの事は知ってるみたいだね、今から訓練をしようと思ってたんだけど……折角だから今日はレンさんに模擬戦をして貰おうか」
『えっ!良いんですか⁉︎』
4人は声を揃えそう言った。
あのレン クルーガーに模擬戦をして貰えるのだ。文句を言う者なんていないだろう。
「えっ?僕はそんな事一言も…」
「駄目…でしたか?」
「うっ…」
なのはは上目遣いでそう聞いてくる。過去優は上目遣いでなのはにお願いされて断れた試しはない。
更に今回は自分にまだ抱き着き同じ様に上目遣いのキャロ。そして周りには期待の眼差しを向けるスバル、エリオ、ティアナ。
この状況で断れる筈もなく…
「分かりました…」
こうして模擬戦をする事になったという訳だ。
そして冒頭に戻る。
『ルールはフォワードメンバーはレンさんに1度でも被弾させればその時点で勝ち。レンさんは4人全員を魔力ダメージで気絶させれば勝ち。』
そうなのはがルールを説明する。
明らかにレンが不利なルールだがそれだけのハンデがあっても正直相手になるかも微妙だ。
「さて、先ずは相手が動くのを待つか」
[随分と余裕ですね、隠密行動を取ればあっという間に制圧出来るでしょうに]
「ハンデだよ、先手はあっちに譲るよ……おっと早速お出ましだね」
レンはただ道の真ん中に立っているだけだ。これでは的にして下さいと言っているのも同然。しかし此れはハンデだ。もしレンが姿を暗まし隠密行動を取ればあっという間に4人は制圧されるだろう。
レンは先ほど言ったように幻術魔法、幻影魔法が得意なのだ、隠れるのも気付かれずに制圧するのもお手の物だ。
しかしそれでは彼らの訓練にならない。
なので敢えて相手の攻撃を待った訳だ。
そして早速、スバルが姿を現しレン目掛けて突撃してくる。
しかしそんな単調な攻撃をレンが受ける筈もなく軽々と横に躱し左手の銃を一発スバルに向けて放つ。
しかし、
「なるほど、フェイクシルエットか」
[中々の精度ですね、しかしまだまだです]
フェイクシルエットは分身を作り出す高位幻術魔法。
中々の精度だが一度ネタバレしてしまえばレンからすればどれが偽物で本物なのかなんぞ直ぐに分かる。
今も複数のフェイクシルエットを織り交ぜ次はエリオ、スバルがレン目掛けて接近してくる。
しかし敢えてシルエットは攻撃せずまるで何処に攻撃してくるのが分かっているかの様に殆どレンは動かず躱してみせる。
「嘘⁉︎何で当たんないの⁉︎」
「くそっ、流石はレンさんだ!」
全く攻撃が当たる気配がしないレンにそう呟く二人。
別に大した事ではない、確かにフェイクシルエットを取り混ぜ一気に仕掛け殲滅する。相手は標的が分からないので混乱し仕留めるのはそう難しくないだろう。
しかし相手が悪かった、まだまだ荒削りの二人の動きはとても読みやすい。
スバルのパンチや蹴りもキレはあるが単調的過ぎて此処に攻撃しますよと言ってる様なものだ。
エリオは槍のデバイスを操りそれを振り攻撃してくるが速さは妥協点だがやはり読みやすい。そして素直過ぎる、目線も攻撃しようとする所を見ているしパターンも基本に忠実過ぎるのだ。
そんな攻撃がレンに当たる筈もない。
そして二人が攻め急ぎ同時に攻撃して来たのでレンはギリギリのタイミングでそれを躱すと、
『うわっ!』
二人はお互いに衝突した。
そしてそんな隙を脅す二人にレンは引き金を引き二人を気絶させた。
「さて、後は2人。レイ、見つけた?」
[はい、2人は此処から5:6の座標にいます]
「結構近いね、ファントムバレットは流石に大人気ないから…」
[レン!背後から攻撃です]
いつの間にか後ろに回り込まれていた様だ。
幻術魔法の類だろう、レイを騙した事は大きい。
しかしその魔力弾の数は多かった、恐らくこの中に幻術の魔力弾も混じっているのだとレンは判断した。
しかも一つ一つブーストされている様でスピードも威力も上がっている、並の魔導師なら回避も出来ず防御も抜かれているだろう。
恐らく此方の攻撃の方が本命だと思った、先程の二人が此処まで早く撃墜されたのは誤算だったのだろうがこの攻撃は確実に必中のタイミングだ。
しかし相手はあのレン クルーガー簡単には決まらない。
あろう事かその魔力弾の嵐の中に突っ込み全てを躱し或いは魔力弾で相殺、剣で斬りながら無効化している。
そんな中で確実に仕留めようと鎖が足元から出て来てレンに巻き付いた。そして魔力弾の嵐はその場に着弾し爆発した。
「やった…の?」
ティアナはそう呟く、先程の連続しての魔法の行使でへたり込んでいる。
着弾した場所は煙が上がり何も見えない、そして煙が晴れると其処には誰も居なかった。
「う、うそ…」
「う〜ん、結構惜しかったね。上手く隠れてた様だけど僕にはバレバレだったね、あれは幻影。僕はずっと後ろから君達を見ていたよ」
後ろを振り向くと既に魔力ダメージで気を失ったキャロとレンが視界に入った。
そして自分には銃口と剣の先を向けられている、完全に自分達の負けだ。
「降参…します」
こうしてレンVSフォワード4人の模擬戦はレンの圧勝という形で幕を閉じた。