魔法少女リリカルなのは 原初の勇者   作:黒色狼
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今回は殆ど原作沿いです。


第8話




「なのはさん…私負けませんから!」

「うん、キャロ。私も負けないから!」

そう言ってお互いに握手を交わす。あの日から互いに何が通じ合う事があったのだろうか、何が二人の間にあったのは間違いないのだがそれを知るのは二人だけだ。

「何だかよく分からないけど本当に良かったと思う…」

「ええ、あのままだったら私たちの体が幾つあっても足りなかったわ」

「そうですね、レンさんも少し顔に元気を取り戻しましたしね。それに…フリードも」

「きゅるぅ!」

スバル、ティアナ、エリオはそんな二人の姿を見て一安心していた。
この前の訓練はそれはもうかなりハードだったしキャロは何時もと違うしで散々だったのだ。フリードも主人の雰囲気が元に戻って嬉しそうだ。



「レイ、悪かったって」

[もう良いんです…レンなんかなのはさんの砲撃で撃ち落とされれば良いんです…]

プレシアに預けていたレイを返して貰ってからずっとこんな調子だ。
余程の事があったのだろうか?あの減らず口のレイが此処までなるとは珍しい。
今度からは余計な事を言えばプレシアにメンテして貰うと言おうと思ったレイだった。





そして彼等は今日も訓練場へと来ていた。今の新人フォワードメンバーの仕事は謂わば訓練をしどんな状況にでも対応出来るようになる事。いつどのタイミングで出る事になるか分からない今、こうして少しでも強くなり実力を身に付ける事が一番大事なのだ。
そしてその教導官はあのエースオブエースと次元世界最強なのだから彼等の成長には驚かされるばかりだ。
今もガジェット相手に訓練を行っているがしっかり連携も取れており最初の頃の危なげなさは見られなくなっていた。

「レンさん、そろそろ新デバイスを渡しても良いかも知れませんね」

「確かに此処のところはチームワークにも磨きが掛かって来てるし丁度いい頃かも」

そう機動六課は彼等に新デバイスを用意しているのだ。
六課の技術者がその腕を存分にふるい作ったそのデバイスは間違いなく彼等の力を余す事なく発揮する事だろう。

「よし、じゃあ皆んな午前の訓練はこれで終わりだよ」

『はい!』

「シャワーを浴びて皆んなでお昼…と言いたい所だけどその前に君たちに渡して置きたい物があるんだ」

「そう、新しいデバイスをね」

「新しいデバイス…ですか?」

「スバルとティアナの今使ってるデバイスも限界だし、みんなも成長して来ているからね。もう渡しても良いかなっていう事になったんだ。だからシャワーを浴びたらロビーに集合してくれ」


スバルとティアナのデバイスは訓練校の頃に自分達が自作したデバイスで、そろそろ限界だったのだが整備を重ね騙し騙し使ってる。
デバイスの調子が悪ければ魔導師も実力を発揮出来ない、だからこその新デバイスで彼等の成長を見越した上で開発が進められていた。
スバルとティアナはそんな事は聞かされていなかったので驚き半分、嬉しさ半分といった顔をしている。
エリオとキャロは既にオリジナルのインテリジェンスデバイスを持っているので強化される事になっている。
そうして彼等はそんな新しいデバイスとの対面にワクワクしながらこの場で解散するのであった。





「新しいデバイスってどんな感じだろうね!早く使ってみたいなぁ〜」

「うるさいわよ、少しは黙って歩きなさいよ」

「その気持ちは僕も分かりますよ、早く強化されたストラーダを僕も使ってみたいです」

「はい、私もケリュケイオンを早く使ってみたいです!」

彼等はシャワー浴び終わり機動六課の廊下を歩いていた。
もちろん新しいデバイスを貰いに行く為である、そんな道中だからかワクワクが絶えない彼等は呑気に談笑しながら向かっていた。

「そんな焦らなくても直ぐに使えるよ、ほらそう言ってるウチに着いたよ」

そんな風に話しているといつの間にか目的地に着いていたようだ。
扉を開け中に入ると其処にはシャーリーとリインが中には居て4つのデバイスが浮かんでいる。

「これが…新しいデバイス…」

「そうです!設計主任は私でなのはさんやレンさん、それにフェイトさんにレイジングハートさん、リイン曹長の協力を得て完成しました!」


スバルとティアナは自分の新しいデバイスが目の前にありそれに見惚れていた。
此れからを共にするパートナーでもあるデバイスなのだ、何か感じたり思った事があったのかも知れない。


「ストラーダとケリュケイオンはあまり変わって無いようだけど…」

「うん、そうみたいだね」

「そんな事は無いですよ、見た目は一緒ですが二人はちゃんとしたデバイスの使用経験がなかったので基礎フレームと最低限の機能だけで渡してたですよ!」

「あれで最低限⁉︎」

「本当に?」

「はいです!機動六課の技術者がその腕をふるって其々の個性に合わせて作り上げた文句無しの作品です!このデバイス達はまだ産まれたばかりですが色々な想いが込められて作られてるです、ただの武器としてでは無くてパートナーとして大切に思いっきり使ってあげて欲しいです!」


そして各々自分のデバイスを手に取る、これからを共にするパートナーであり心強い仲間でもある。
彼等の手の中で此れからよろしくと言いたげにデバイスは光輝く、良き相棒になるであろうとそんな光景をレンとなのはは懐かしい光景を見るかの様に見守ってた。


「その子達皆んなは何段階かに分けて出力リミッターを掛けてるの、最初はびっくりするぐらいの出力は出ないけど、まずはそれで慣れていってね」

「それで各自がその出力を扱いきれる様になっていけば私やフェイト隊長、シャーリーやリイン、それにレンさんの判断で解除していくからね」

「要するにそのデバイスと一緒にレベルアップしていく感じという訳かな」

「そう言えば出力リミッターっていえばなのはさん達にもリミッターが掛かってますよね?」

出力リミッターという言葉を聞いて何か思ったのかティアナがそう言ってきた。

「うん、私たちはデバイスだけでなく本人にもリミッターが掛かってるけどね」

「ええっ!そうなんですか?」

そうなのはやフェイト、はやて達にはデバイスだけでなく本人にもリミッターが掛かっている。
本来一つの舞台に保有できる戦力は決まっておりそれを超えた過剰戦力は保有出来ない仕組みになっているのだ。
だからなのはやフェイト、ヴィータとシグナムの隊長陣は2ランクダウンではやてに関しては4ランクダウンのリミッターを掛けている。
このリミッターの解除はなのは達隊長達ははやての判断でも解除可能だが、総部隊長のはやては直属の上司などからしかリミッター解除をする事が出来ないし、そう簡単には許可も下りない。
その話を聞いた彼等は少し驚いていた。

「そうだったんですね…じゃあレンさんは…」

「僕にはリミッターは掛かってないよ、一様此処の所属扱いだけど僕はあくまで民間協力者だから」

「て事はレンさんの魔導師ランクは…」

「今のランクは陸空共にSSS+オーバー、だね」

そう民間協力者であるレンには管理局からはリミッターを掛けられていない。
そう管理局からは。
自分でリミッターを掛けているレンはその力を抑えながらもそのランクなのだ、レン クルーガーとして働きかけ始めた頃は精々SSランク程の認定だったのだが度重なる無理難題の任務を解決していくうちに其処までランクが上がっていたのだ。
陸空共にSSS+オーバーの完全万能型の魔導師にして次元世界最強と言われているのがこのレン クルーガーだ。

改めてレンの凄さを聞いた彼等だったが其処にはアラートが鳴り響く。

「このアラートは一級警戒態勢⁉︎」


「協会本部からの出動要請です!」

「なのは隊長、フェイト隊長それにグリフィス君、此方はやて。協会調査部で追ってたレリックらしき物が見つかった、輸送中の車両がガジェットに制御を乗っ取られてしもうたんや」

どうやらレリックが見つかったのは良いが輸送中の車両がガジェットに乗っ取られてしまいレリックが回収出来ないらしい。
遂に機動六課が出動する時が来た、新人フォワードメンバー達も雰囲気が変わりその顔には確かにやる気を感じさせ立派な管理局員の顔をしていた。
そんな彼等の顔をみたはやては頷きそして、

「よし、ほんなら機動六課フォワード部隊…出動!」


こうして運命の歯車の動きは加速する。









正直ここを飛ばして次書いた方が良かったんではないかと今思っている←