この剣は君の為に〜Sword Art Online 作:黒色狼
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プロローグという事で今回は短めです。
SAO事件編プロローグ
竹刀の乾いた音が道場内に響き渡る。
そこに居るのは二人の年若い男が二人。
二人の両手には二刀の小太刀を持ち振るって攻撃しては防御され、躱され物凄いスピードで乱舞している。
次の瞬間、二人の姿がぶれた。
先ほどもかなりのスピードで打ち合っていたのだが今はそれとは次元がまた違う。
普通の人がこの光景を見れば何をしているか分からないだろう。
いきなり大きな音が鳴り響いたと思うと片方の男が倒れていた。
「いてぇ、師匠。神速重ね掛けは大人気なくないですか?」
「模擬戦に卑怯も何もないだろう。今日はこれまでにするが明日からは山に篭って修行だ」
それを聞いてその青年、和人はうへぇとめんどくさそうな顔をする。
ある日から和人はこの道場の先生、高町恭也からある剣術を教わっている。
御神流
恭也の家に伝わる古流武術だ。
大切な者を守る為の剣であり手段でもあるこの御神流は、恭也いわく100人程が重装備で束になっても御神流を使う剣士は倒せないそうだ。
あれ以来、和人はひたすら鍛錬や修行を血反吐を吐く程続けた。目の前に大切な者が居て助けを求めていたのにも関わらず助けられなかった自分に激怒し、何度も何度も泣き叫んだ。その時自分の胸に光る指輪が目に入り和人は諦めてたまるかと必死になって努力をした、自分に出来る事は何でもして来たつもりだ。
そう全ては約束をしたあの女の子を取り戻す為に。
しかし和人とて14歳。
そして昔から機械弄りなんかも趣味でゲームも良くしてきた。
そんな事もありあるゲームのβテスターに応募し見事それに当選したのだ。
世界初のVRMMO。
ナーヴギア、という頭全体を覆う流線型のヘッドギア。
そしてソードアートオンライン。
通称SAOはナーヴギアを使ってプレイされる初めてのタイトルだ。
和人はそのゲームに魅せられたのだ。もちろん既に製品版は手に入れている。実は今日はそのソードアートオンラインが始まる日でもある。
家に帰ると正式サービスが始まる30分前だ。
和人は軽くシャワーを浴び部屋に戻って来ると残り10分となっていた。
和人はナーヴギアを被りベッドに横たわる。そして時間になるまでまずログインしたらどうするか考えていた。
(まず剣が二本欲しいな…それで直ぐに投擲スキルと…)
なんて考えていると時計は既に正式サービスが始まる1時を指していた。
時間だなと和人はこう言葉にする。
「リンクスタート!」
こうして和人は胸を踊ろらせソードアートオンラインにログインするのであった
「戻って来たな、浮遊城…アインクラッド」
和人、いやこの世界ではキリトだ。
プレイヤー名 kirito
それが和人のこの世界での名前だ。
まず此処一層始まりの街で適当な剣を購入したキリト。
二つ装備しようか少し迷ったが片方はアイテムスレージへと締まった。
SAO内には剣技、いわゆる必殺技に当たるものがある。
色々な武器がある中で出せるスキルも異なり例えば片手剣にはソニックリープというスキルがあり、こういう武器によるスキルはソードスキルと呼ばれている。
しかしもし二本、剣を装備したらどうなるのだろうか。
片手剣スキルは片手剣を一本装備した状態でないと発動しない。別に二本装備すれば二本分の威力が上乗せされる訳ではないし寧ろ片手剣スキルの恩恵が無くなってしまいデメリットの方が大きいだろう。
しかしキリト自身、片手剣スキルを使って剣一本で戦うよりも二本で戦う方が強いと自負している。
恭也に教わった御神流は、永全不動八門一派・御神真刀流、小太刀二刀。
その名の通り基本は二刀なのだ。もちろん一刀でも鍛錬は積んできたし奥義も出来るがやはり二刀の方がしっくり来て戦いやすいのだ。
実はβの時に御神流の奥義を色々試していて、威力こそソードスキルには劣るが問題なく出来そうなのを確認している。
それに和人はβの時、実は一度もそのHPをゼロにした事がない。
在ろう事かイエローまでしか落とした事が無いのだ。和人とて御神流の剣士。その意地として負ける訳にはいかないと思い全力を尽くしてきた結果だ。
今はこの時を楽しもうと気持ちを切り替えるキリトだがその数時間後にデスゲームが始まる事を一人を除いて知る者はいない。
最初から二刀流使おうとしてるキリトさんでした。
恭也が立派な人外へとキリトを育成済みです←
この時点でキリトはかなり強いです、具体的に1層のボスをソロで狩るぐらいに。
もちろん二刀を使って御神流を全力で使っての強さならです。
御神流無しで一刀なら1ゲージ減らせれば良い方でしょう。←それでも充分強い
恭也なら軽く倒すんでしょうけど…