この剣は君の為に〜Sword Art Online 作:黒色狼
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お気に入りと評価、感想下さった方ありがとうございます。
最低でも2日に1回は次話を投稿出来るように頑張ります。
第2話最低でも2日に1回は次話を投稿出来るように頑張ります。
あの指輪を拾った後は真っ直ぐ家に帰った和人。また遅い時間に帰宅したので親から小言を貰ったが最近は良くある事だ。
そんな事より今は晩ご飯だ、成長期なのか最近はお腹が空くのも早い様な気がする和人だが食べる事が好きな和人としては嬉しい限りだ。
晩ご飯を食べているとふと和人が着いていたテレビに目がいく。
「……おいおい、ルーゼリア大丈夫かよ。テロで次期皇帝が暗殺されたってこの御時世で物騒だな」
「本当だね、何でも跡取りが暗殺された息子しかいないんだって。どうするんだろ?」
ルーゼリア
それはヨーロッパの南東に位置する小さな国だ。
今では珍しい皇族の血筋が政治を執り行っておりそういう面から分かる様に伝統や文化をとても大事にしている国でもある。
緑豊かでルーゼリアで育てられた野菜などの農作物は日本でもよく見かけられる。
街並みも昔ながらの造りでそこがまたルーゼリアの魅力の一つで、文化的に価値がある物が多く有名な観光地としても知られていて比較的ポピュラーな国だ。
しかし今時、皇族が政治を取り締まるのは時代遅れだという声が高まってきており改革派と皇族派で今揉めているらしく、このテロも改革派の中でも過激なグループが暴走した結果だろう。
「けどお兄ちゃんがルーゼリアの事に興味を持つなんて以外だね」
「心外だなぁ……スグは知らないのか?ルーゼリア騎士団の事?」
「あぁ〜、お兄ちゃん剣道やり始めてから本当に好きになったよねそういうの」
そうルーゼリアには警察もあるのだが皇帝直属の騎士団がある、それがルーゼリア騎士団だ。
やる事は皇帝の護衛や皇宮の警護などでSPや警察と似た様な物である。
そしてその騎士団長、ニーグ アイルボルトはルーゼリア皇族でもあり現皇帝の側近でもある。そして皇宮剣術の使い手でその強さはルーゼリア1で世界最強と噂されており、知る人ぞ知る有名人でもある。
和人もその強さとカッコよさに憧れを抱いている一人なのだ。
「あの強さとカッコよさが分からないとは、本当に残念だよ…」
「はいはい、食べ終わったらちゃんと流しに戻しといてよ。お母さんとお父さんにまた怒られても知らないからね」
は〜いと返事をする和人、この光景を何も知らない者が見れば直葉が姉で和人が弟に見えている事だろう。
言われた通りちゃんと食器を片付け、風呂にも入りやる事も一通り終えた和人はベッドの中で入った。
晩ご飯を食べている時にルーゼリア騎士団の話をしたのでその熱がまだ冷めておらず寝付けないでいた。
「俺もいつかあんな風に……」
そう思いながら瞳を閉じ、眠りにつく和人だった。
昨日の事もあり道場ではいつも以上に熱の入った和人が元気良く剣道の練習していた。
そんな様子が見て取れた恭也は和人にその理由を尋ねた。
「和人、今日は随分と気合が入っているな。どうしたんだ?」
「あっ、はい。昨日晩ご飯の時にルーゼリア騎士団の話になってそれで俺も騎士団長の強く、カッコ良くなりたいな〜なんて思いまして」
少し理由が恥ずかしかったのか和人は目線を反らし頭を掻きながらそう言った。
「ニーグ アイルボルトの事か……」
「先生も知ってるんですか⁉︎」
和人は恭也がニーグ アイルボルトの事を知っている事に驚いた。
確かに恭也は剣道の腕も一流で更に別の流派も使えるので知ってても可笑しくは無いのだが前にそういう話をした時に興味無さそうにしていたのでてっきり知らないのかと思っていた。
「ああ、だが俺はあいつの事は好きでは無い」
「えっ、どうしてですか?」
「確かにあいつは強い。剣の腕も相当の物だ、だがあいつの剣には心がない。」
「心……ですか?」
「そうだ、あいつの剣には意思がない。ただの人形が剣を振ってるように感じてしまうんだ。その点、俺はお前の剣の方が好きだな。かなり荒削りだがその振るう剣には心も意思も輝いている」
和人にはまだそんな事を言われても全然理解も出来ないが褒められているのは確かなのでかなり照れ臭そうだ。
少し自分の事を先生が認めてくれた気がして良い気分になり、流派の事を教えてくれと言うのも忘れそのまま帰ってしまう和人だった。
その帰り道、またもや流派について教えてくれと頼む事を忘れている事に気が付いた。
「そういえばまだ忘れてた!最近はのは先生の策略なんじゃないかって気がしてきた…」
なんだが上手く話を逸らされそのまま誘導されてしまい話せてないような気がしてきた。
してやられていると思えば思うほど何だか悔しくなって来てうがぁ〜〜!とその場で地団駄踏む和人。
横を通り過ぎていく通行者や自転車はそんな和人に冷ややかな目線を浴びせるが和人は気が付かなかった。
「……無い…此処にも無い…何処にいったの…」
河川敷の下からそんな声が聞こえてきたので我に返った和人は下を見ると其処にはアリスがいて何かを捜しているようだった。
気が付けばあの場所の近くまで歩いて来ていたようだ。
いつものように座っているようならば脅かす所だがそんな雰囲気でも無いので普通に声を掛ける。
「よっ、どうしたんだ?なんか探してるようだけど」
「今はあんたと喋ってる暇はないの、邪魔だから帰って」
おいおいそりゃないだろと思い反論の言葉を出そうとしたが思い止まった。
何故ならアリスの顔が凄く必死だからだ。
目尻には薄っすら涙が溜まったるようにも見えるし必死なのは良く伝わってくる。
和人はその場に荷物を置き、アリスと同じようにこの辺りの下を探すように河川敷に生える草を掻き分けていく。
「ちょっと、あんた!何してるのよ!」
「大事な物でも無くしたんだろ?俺も捜すよ。そんな顔してちゃ気分悪くてそのまま帰れないだろ」
勝手にしなさいと唾を吐き捨てるようにそう言ってアリスは作業に戻った。
だが二人掛かりで捜しても捜し物は一向に見つから無い。
「なぁ、本当にこの辺に落としたのか?」
「その筈なんだけど……」
そう言えば何を捜してるのかも分からないまま手伝っていたが何を捜しているのだろうと思いった和人は、
「それで何を捜してるんだ?」
「指輪よ、チェーンに通してある翠色の宝石が付いた指輪」
それを聞いた瞬間物凄く心当たりがあった。
あっこれ絶対怒られるな、と思ったがこのまま黙っておく訳にもいかないので、
「えっと……お前が落としたのってもしかしてこれか?」
和人は荷物の中にしまっておいた昨日、この場で拾った指輪を取り出し見せるようにアリスに差し出す。
アリスの顔が驚愕の表情に染まり何と無く叩かれるなと和人が思い覚悟を決める。
がアリスは次の瞬間、我慢していたのだろうその綺麗な碧い瞳から大粒の涙をポロポロ流し、
「良かった……本当に見つかって良かったよぉ…」
指輪を受け取りその場でうずくまり啜り泣き始めてしまった。
そんなにも大事な物だったのかと、これは少し悪い事をしたなと和人は思った。
「ごめん、此処に落ちてたからアリスのかと思ったんだけど忘れてた…」
「うう、持っててくれたからいい…」
アリスも先程まで泣いていたが落ち着きを取り戻して来たのか今は涙も止まっている。
目元は泣いたからか赤くなっているが安堵してるのが和人にも見てとれたので安心した。
「それ、そんなに大事な物なのか?」
「うん、お祖母様から頂いた物でとても大切な物なの」
「そっか、良かったよ見つかって」
「うん……」
二人はいつもの定位置で座りそう話していたが和人は不意に肩に重い物が乗っかる感触がして隣を見ると規律正しく寝息を立て眠っているアリスがもたれ掛かってきていた。
長い間探しまわっていたのだろう疲れが溜まり見つかった事で安心して気が緩みそのまま眠ってしまったのだろう。
「こいつ、寝やがったな。……寝顔、かわいいじゃん」
その寝顔はとても安心しきった顔をしており和人は素直にかわいいと感じた。
その後、起こすのが気が引け起きるまで肩を貸し続けた和人が寝顔を飽きずに見ているときに起き叩かれたのは言うまでもない。
そんな事より今は晩ご飯だ、成長期なのか最近はお腹が空くのも早い様な気がする和人だが食べる事が好きな和人としては嬉しい限りだ。
晩ご飯を食べているとふと和人が着いていたテレビに目がいく。
「……おいおい、ルーゼリア大丈夫かよ。テロで次期皇帝が暗殺されたってこの御時世で物騒だな」
「本当だね、何でも跡取りが暗殺された息子しかいないんだって。どうするんだろ?」
ルーゼリア
それはヨーロッパの南東に位置する小さな国だ。
今では珍しい皇族の血筋が政治を執り行っておりそういう面から分かる様に伝統や文化をとても大事にしている国でもある。
緑豊かでルーゼリアで育てられた野菜などの農作物は日本でもよく見かけられる。
街並みも昔ながらの造りでそこがまたルーゼリアの魅力の一つで、文化的に価値がある物が多く有名な観光地としても知られていて比較的ポピュラーな国だ。
しかし今時、皇族が政治を取り締まるのは時代遅れだという声が高まってきており改革派と皇族派で今揉めているらしく、このテロも改革派の中でも過激なグループが暴走した結果だろう。
「けどお兄ちゃんがルーゼリアの事に興味を持つなんて以外だね」
「心外だなぁ……スグは知らないのか?ルーゼリア騎士団の事?」
「あぁ〜、お兄ちゃん剣道やり始めてから本当に好きになったよねそういうの」
そうルーゼリアには警察もあるのだが皇帝直属の騎士団がある、それがルーゼリア騎士団だ。
やる事は皇帝の護衛や皇宮の警護などでSPや警察と似た様な物である。
そしてその騎士団長、ニーグ アイルボルトはルーゼリア皇族でもあり現皇帝の側近でもある。そして皇宮剣術の使い手でその強さはルーゼリア1で世界最強と噂されており、知る人ぞ知る有名人でもある。
和人もその強さとカッコよさに憧れを抱いている一人なのだ。
「あの強さとカッコよさが分からないとは、本当に残念だよ…」
「はいはい、食べ終わったらちゃんと流しに戻しといてよ。お母さんとお父さんにまた怒られても知らないからね」
は〜いと返事をする和人、この光景を何も知らない者が見れば直葉が姉で和人が弟に見えている事だろう。
言われた通りちゃんと食器を片付け、風呂にも入りやる事も一通り終えた和人はベッドの中で入った。
晩ご飯を食べている時にルーゼリア騎士団の話をしたのでその熱がまだ冷めておらず寝付けないでいた。
「俺もいつかあんな風に……」
そう思いながら瞳を閉じ、眠りにつく和人だった。
昨日の事もあり道場ではいつも以上に熱の入った和人が元気良く剣道の練習していた。
そんな様子が見て取れた恭也は和人にその理由を尋ねた。
「和人、今日は随分と気合が入っているな。どうしたんだ?」
「あっ、はい。昨日晩ご飯の時にルーゼリア騎士団の話になってそれで俺も騎士団長の強く、カッコ良くなりたいな〜なんて思いまして」
少し理由が恥ずかしかったのか和人は目線を反らし頭を掻きながらそう言った。
「ニーグ アイルボルトの事か……」
「先生も知ってるんですか⁉︎」
和人は恭也がニーグ アイルボルトの事を知っている事に驚いた。
確かに恭也は剣道の腕も一流で更に別の流派も使えるので知ってても可笑しくは無いのだが前にそういう話をした時に興味無さそうにしていたのでてっきり知らないのかと思っていた。
「ああ、だが俺はあいつの事は好きでは無い」
「えっ、どうしてですか?」
「確かにあいつは強い。剣の腕も相当の物だ、だがあいつの剣には心がない。」
「心……ですか?」
「そうだ、あいつの剣には意思がない。ただの人形が剣を振ってるように感じてしまうんだ。その点、俺はお前の剣の方が好きだな。かなり荒削りだがその振るう剣には心も意思も輝いている」
和人にはまだそんな事を言われても全然理解も出来ないが褒められているのは確かなのでかなり照れ臭そうだ。
少し自分の事を先生が認めてくれた気がして良い気分になり、流派の事を教えてくれと言うのも忘れそのまま帰ってしまう和人だった。
その帰り道、またもや流派について教えてくれと頼む事を忘れている事に気が付いた。
「そういえばまだ忘れてた!最近はのは先生の策略なんじゃないかって気がしてきた…」
なんだが上手く話を逸らされそのまま誘導されてしまい話せてないような気がしてきた。
してやられていると思えば思うほど何だか悔しくなって来てうがぁ〜〜!とその場で地団駄踏む和人。
横を通り過ぎていく通行者や自転車はそんな和人に冷ややかな目線を浴びせるが和人は気が付かなかった。
「……無い…此処にも無い…何処にいったの…」
河川敷の下からそんな声が聞こえてきたので我に返った和人は下を見ると其処にはアリスがいて何かを捜しているようだった。
気が付けばあの場所の近くまで歩いて来ていたようだ。
いつものように座っているようならば脅かす所だがそんな雰囲気でも無いので普通に声を掛ける。
「よっ、どうしたんだ?なんか探してるようだけど」
「今はあんたと喋ってる暇はないの、邪魔だから帰って」
おいおいそりゃないだろと思い反論の言葉を出そうとしたが思い止まった。
何故ならアリスの顔が凄く必死だからだ。
目尻には薄っすら涙が溜まったるようにも見えるし必死なのは良く伝わってくる。
和人はその場に荷物を置き、アリスと同じようにこの辺りの下を探すように河川敷に生える草を掻き分けていく。
「ちょっと、あんた!何してるのよ!」
「大事な物でも無くしたんだろ?俺も捜すよ。そんな顔してちゃ気分悪くてそのまま帰れないだろ」
勝手にしなさいと唾を吐き捨てるようにそう言ってアリスは作業に戻った。
だが二人掛かりで捜しても捜し物は一向に見つから無い。
「なぁ、本当にこの辺に落としたのか?」
「その筈なんだけど……」
そう言えば何を捜してるのかも分からないまま手伝っていたが何を捜しているのだろうと思いった和人は、
「それで何を捜してるんだ?」
「指輪よ、チェーンに通してある翠色の宝石が付いた指輪」
それを聞いた瞬間物凄く心当たりがあった。
あっこれ絶対怒られるな、と思ったがこのまま黙っておく訳にもいかないので、
「えっと……お前が落としたのってもしかしてこれか?」
和人は荷物の中にしまっておいた昨日、この場で拾った指輪を取り出し見せるようにアリスに差し出す。
アリスの顔が驚愕の表情に染まり何と無く叩かれるなと和人が思い覚悟を決める。
がアリスは次の瞬間、我慢していたのだろうその綺麗な碧い瞳から大粒の涙をポロポロ流し、
「良かった……本当に見つかって良かったよぉ…」
指輪を受け取りその場でうずくまり啜り泣き始めてしまった。
そんなにも大事な物だったのかと、これは少し悪い事をしたなと和人は思った。
「ごめん、此処に落ちてたからアリスのかと思ったんだけど忘れてた…」
「うう、持っててくれたからいい…」
アリスも先程まで泣いていたが落ち着きを取り戻して来たのか今は涙も止まっている。
目元は泣いたからか赤くなっているが安堵してるのが和人にも見てとれたので安心した。
「それ、そんなに大事な物なのか?」
「うん、お祖母様から頂いた物でとても大切な物なの」
「そっか、良かったよ見つかって」
「うん……」
二人はいつもの定位置で座りそう話していたが和人は不意に肩に重い物が乗っかる感触がして隣を見ると規律正しく寝息を立て眠っているアリスがもたれ掛かってきていた。
長い間探しまわっていたのだろう疲れが溜まり見つかった事で安心して気が緩みそのまま眠ってしまったのだろう。
「こいつ、寝やがったな。……寝顔、かわいいじゃん」
その寝顔はとても安心しきった顔をしており和人は素直にかわいいと感じた。
その後、起こすのが気が引け起きるまで肩を貸し続けた和人が寝顔を飽きずに見ているときに起き叩かれたのは言うまでもない。