プロがつくった天ぷらって、とっても美味しいですよね。
熱々のサクサク状態で食べる瞬間は、とっても幸せな気分になります。
最近、安くておいしい天ぷら専門店を見つけたんです。今回は、その店の職人さんに教えてもらった天ぷらの美味しい食べ方と、マナーについて書いてみます。
「仇に会ったように」
作家の池波正太郎さんって、食通で知られている方でもあります。その池波正太郎さんの言葉に
「天ぷらを食べる際は『仇に会ったように』脇目もふらず、熱々のうちに食べるのがよい」
というものがあります。
目の前で天ぷらを揚げてくれるような専門店の場合は、次々と揚げたての天ぷらが出てくることになります。もしも会話に夢中になって、天ぷらが山盛りになってしまっては、職人さんもガッカリしてしまうことでしょう。
天ぷらは、熱々のサクサク状態が命なんです。
盛り合わせで出てきたら
定食や宴会料理では、天ぷらが盛り合わせで出てくる場合がほとんどです。
盛り合わせの天ぷらは、大抵手前にキス、エビなどの淡白な魚が並べられています。その後ろに、ナスやレンコン、カボチャ、キノコ類などの野菜が並び、最後に味の濃いアナゴなどが並べられることが多いようです。
これは、見た目を楽しんで欲しいという理由で考えられた並べ方です。やっぱり天ぷらの主役って、エビなんですかね?
食べる順番に関しては、それほどこだわる必要はないと思います。でも、職人さんの気持ちを尊重するのであれば、味の淡白なものから濃いものへと、順番に食べていくのがいいでしょう。
天つゆと塩
つゆには、大根おろしやすだちなどの薬味がついてくる場合が多いと思います。こうした薬味は、少しずつ入れて食べるのが美味しい食べ方と言われています。
つゆが入った器は、左手で持って食べてもマナー違反ではありません。左手に持って食べれば、つゆが垂れることもなく、食べる姿が美しくなります。
塩をつけて食べる場合は、天ぷらに直接つけて食べるよりも、少しずつ天ぷらにかけた方が良いとされています。その方が、塩が湿らずに最後まで美味しく食べることができます。
熱々のサクサク感を楽しむためのコツ
天ぷらを食べる際に、熱々のサクサク感を最後まで楽しむためのコツは、全体に塩やつゆをつけないことです。
エビやカボチャ、アナゴなどの大きな天ぷらは、一度につゆの中に浸してしまうのではなく、一口ずつつゆをつけるのが良いでしょう。
盛り付けられた皿の中で、箸を使って上手に一口大に切れればいいのですが、なかなか難しいですよね。私はできません。
切れない場合は、つゆをつけた部分だけ噛み切って食べることになります。噛み切った残りは、皿に戻すのではなく、つゆの付け皿を持ったまま、食べ終わるようにした方がよいでしょう。
また、エビの天ぷらの場合、揚げたては尾の部分もカリッとして美味しいので、食べてしまっても構いません。これは好みの問題になります。ちなみに私は大好きです。
もしもエビの尾を残す場合は、盛り合わせの皿についている懐紙の角の部分を折り曲げて、その中にさりげなく隠すようにすれば、食べ終わった後の見た目がきれいになります。
とまあ、いろんなことを書いちゃいましたが、どんな料理でも、つくってくれた人や一緒に食べる人と楽しい時間を過ごしながら食べるのが一番美味しいですよね。