米議会調査局「米国の北東アジア外交、韓国の大統領弾劾問題で複雑に」

 対北朝鮮制裁と圧力路線は今のところ、米共和党・民主党の両党で大きな意見の違いがない、数少ない外交政策の一つだ。米下院が北朝鮮の4回目の核実験直後だった昨年2月、北朝鮮だけをターゲットにした初の対北朝鮮制裁案を通過させた際、賛成408票、反対2票で可決したことを見てもそれが分かる。A4用紙2枚分のこの報告書は、マーク・マニーンCRSアジア担当上級研究員が書いたもので、大統領戦出馬候補者のうち文在寅氏にだけ言及している。ワシントンの外交消息筋は「文在寅氏は現時点で大統領選候補支持率に関する世論調査で1位になっており、同氏が政権を執れば、対北朝鮮・北東アジア政策をめぐり韓米が衝突する恐れがあることを示唆したものだ」と言った。

 トランプ次期米大統領は、米大統領選挙時に「我が国の兵士たちは最高の武器と保護装置を備えることになるだろう」と述べており、米国が既に合意しているTHAAD配備を延期したり撤回したりする可能性は事実上、なさそうだ。だが、一方の文在寅氏は「THAAD配備は次期政権に持ち越すべきだ」と述べている。

 ワシントンの外交筋の間では、韓国の次期政権が米国と対北朝鮮政策をめぐり対立すれば、突破口を開くのは容易でないとの見方が多い。特に、トランプ氏の外交・安保政策がどこにどういう形で飛んでいくか分からない状況で、韓米間の意見の違いは韓半島(朝鮮半島)の安保勢力図にとって大きな変数となり得る。米外交問題評議会(CFR)のスコット・スナイダー主任研究員は「かつては韓国政府が反米路線でも、米政府はそれを認める雰囲気だったが、トランプ政権ではどのようになるか分からない。韓米双方の次期政権の行方を予測するのは困難なだけに、これまで以上に(韓米関係は)不確実な状況になる」と語った。

ワシントン=趙義俊(チョ・ウィジュン)特派員
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