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ポケGO事故教訓に 一宮市がスマホゲームの企画中止

 スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」を操作しながら運転していたとされる男のトラックにはねられ、愛知県一宮市の小学四年則竹敬太君=当時(9つ)=が死亡した事故を受け、同市が年度当初に計画していたスマホゲームを利用した観光イベントを断念していたことが分かった。

 ゲームは、ポケモンGOと同じ米ナイアンティック社が運営する「Ingress(イングレス)」で、スマホの位置情報機能を使い、地図上で架空の「陣取りゲーム」を楽しむ。「ポケストップ」と呼ばれる場所を巡るポケモンGOと類似点が多く、イベントやゲームの安全性を検証した結果、「今のシステムでは『ながらスマホ』の防止策が十分ではない」と判断し、中止を決めた。

 市企画政策課によると、計画はJR尾張一宮駅周辺などを巡る一〜数キロほどの六つのコースを設定した街歩きイベント。期間中に巡ると、ゲームの称号のメダルがもらえる計画で、二〇一六年度の一般会計予算に、広報費などとして二十七万円を計上していた。

 市は昨年六月にナ社に協力を要請。年度内の開催を模索していたが、十月二十六日に事故が起き、準備を中断、事故の危険性が排除しきれていないと判断した。中野正康市長は「ポケモンGOのような位置情報機能を使ったゲームの影は、事故で見せつけられた。この状況で一宮でイベントを開くことはできない」と中止の理由を説明した。

◆安全見据え賢明な判断

 敬太君の父崇智(たかとし)さん(46)の話 IngressもポケモンGOも、速度規制などの「ながらスマホ」の防止策は不十分で、利用者のモラルに頼っている。イベントの中止は安全安心を見据えての賢明な判断だと思う。

 

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