JKビジネスの専門家、仁藤夢乃氏が「School Girl for Sale in Japan (日本では女子生徒が売りに出されている)」という英語ニュースの報道で「秋葉原では2メートル間隔で女性が立っている」と述べて秋葉原を売春のメッカとして説明していたことがわかった。
この発言は英語ニュースで配信され、この動画のYouTube版は既に40万人以上が視聴している。
また同氏はフィリピンまで行って、メイドカフェなどが秋葉原で客引きをしている年齢不詳の写真を使いながら、日本の児童のうち6人に1人が貧困であることと、児童買春の問題があることなどについて講演会を行っていたことも本人の8月1日付けブログとツイッターから判明。
だが、この写真は通称秋葉原(東京都千代田区外神田1丁目)のメイドカフェ街を映したものであり、かつて仁藤氏が日本外国特派員協会でも日本の児童買春の証拠として使っていたものである。
フィリピンでの講演内容の子細は不明であるが、このツイッターとブログでも本人がアップしている写真と文章からすると、やはり、予備知識がよほどないと日本が児童買春大国であるような印象を与える。
そして写真の問題点は、「まるで街娼の客引きに見えるが、実は全然そうではない」という点だ。というのは、ここは単なるメイドカフェやJKカフェの客引きがほとんどで、買春とは関係が薄いのである。そもそもこれらの女性従業員は(一部において、違法な買春行為をしているJKビジネスが存在しているものの)児童でもない場合が多く、売買春とも無関係なことが多い。この点において、今年5月の日本外国特派員協会記者会見で仁藤夢乃氏に質問したが、年齢の統計はないと本人が明言している(動画リンク参照)。
なのにこの写真を根拠とした仁藤氏のプレゼンを取り上げて、複数の国のメディアで「児童買春の証拠」として報道されてしまった問題が発生している。
具体的にはドイツRTLが一例で、またなぜかジャパンタイムズでも記事がある。(日本に拠点があるのに、JKビジネスの従業員が女子高生と限らないくらいのことをジャパンタイムズの記者は分からないくらい、無分別なのだろうか。それともセンセーショナルに確信犯として書いているのだろうか)。
さらに香港の英字紙サウスチャイナモーニングポストでは、もっとひどくて、13才や14才の買春が行われていて、しかも日本社会は児童買春にますます寛容になっているという報道ぶりである。
しかし、すくなくとも、児童買春についてはいわゆる淫行条例しかなかった頃と比べて「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」厳格な処罰規定と取り締まりが出来てからの日本では一定の運用実態(多少古いデータだが警察庁HP参照)もある。
また確かに日本で「子供の貧困」が増えていて16%を超えているという内閣府の統計も出ているが、これは後掲リンクの国内基準で算出した、日本人の中での「相対的貧困」である。
そもそもフィリピンと日本の購買力平価を比較したデータを見てみると745対4843、すなわち一般的にはフィリピン人だと日本人の約6分の1のものしか買えないわけである。また国民1人あたりGDPになると、フィリピンが2934ドル(IMFによる2014年の調査)に対して、日本では38644ドル(内閣府調査の2013年データ)であり12倍以上の開きになる。(これらの点を仁藤氏は聴衆に説明したのだろうか)。
さらに、日本は衛生状態もよく教育環境も整っている上に、道路などのインフラも整備が進んでいる。大体、日本の児童が「貧困」といっても、それは相対的貧困である。そして相対的貧困率は算出が世帯人数と所得の中央値によって求められるので一概にいくらからとは言えない(厚労省HP・算出基準についての説明を参照)。しかしとにかく仁藤氏は、日本の貧困をフィリピンでまで強調して、JKビジネスを貧困と日本人男性による、女子児童の買春に結びつけたいようだ。
こういう複雑な背景説明を除いて「おにぎりが買えない」などと言われるとフィリピン国ではたぶん、日本の児童が饑餓に苦しんでいるように思われてしまい、とてもミスリードである(狙って言っているのか、そうでないのかは不明)。
あと仁藤氏本人は、出国前に成田で一泊するスケジュールを取って、お酒もプレミアムモルツビールを飲むという、なかなかいい生活を送っている。
さらに携帯電話はiPhone5sからiPhone6へと、スマホとしては一世代前のトップエンドモデルからすぐに現行世代のトップエンドモデルへ機種変をしているとツイッターで報告していて、潤っているようだ(後述の通り、仁藤氏の団体Colaboは女子児童を守るためのシェルターを作るためとして募金や各種物品のプレゼントを募っているが、本人の消費を減らしてその分を費用にあてればよりスムーズに事業目的が達成できる気がする)。
ところで、今回の仁藤氏の渡航に深く関与しているのが、韓国民団と人的に密接な関係のあるNPO法人「JFCネットワーク」である。
なおあまり知られていない団体かもしれないが、この「民団」は韓国政府が毎年8億円以上を出資している、日本国内における韓国のエージェント機関そのものである。
では、このNPO法人JFCというのはいかなる団体なのだろうか。また民団との関係はいかなるものだろうか。
(2008年のJFC活動報告書でメンバーに仁藤氏の名前がある。10代から、仁藤夢乃氏がJFCの活動に参加していたことが分かる)
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実はこの団体の現在の理事長は張学錬という弁護士の方だが、民団の専門家の一員としてHPに名を連ねているのだ。
また民団の訴訟においても少なくとも確認できたところ、2014年10月24日まで民団中央本部が建物明け渡し訴訟の被告となった裁判において、東京高裁で弁護士を務めており、(もちろん弁護士という専門職なので、受ける仕事は単に受けるという見方もあるが)、民団の政治色の強さからいうと、民団から信頼が厚い人物と思われる。
さらにこの団体の設立者で初代理事長は、東京都の新大久保周辺に立地する「百人町教会」の牧師であった阿蘇敏文氏(2010年没。仁藤夢乃氏が河合塾の高校卒業認定スクールCOSMOで出会って以来、恩師と慕っていたという)である。現在の百人町教会牧師は賈晶淳(カ・ジョンスン)氏(国籍は不明)となっている。
(百人町教会HPより。原語は韓国語、日本語、英語で書かれている。)
つまり、今回、仁藤夢乃氏は、韓国政府の出資団体の主催イベントのスピーカーとして、年齢不詳で売買春との関係も薄い(ただし、一見すると売春婦の客引き現場に見える)映像を使って、日本の売買春問題を訴えた上で、なおかつ日本はろくでもない国とアピールしてきたということである。
ちょうど日本人男性を加害者として強調して、外国人女性が被害者であるという面を強調するのは日韓関係の懸案となっている従軍慰安婦問題の構図そのものである。つまり、JFCは民団関係者が代表者で、日本人男性=加害者、外国人女性=人権侵害の被害者、という印象を外国に強調してしまっているわけである。
はて、筆者が疑問に思うのはこの仁藤氏の活動は日本を理解してもらうのに役立つのか、また日韓関係に悪影響を及ぼさないか、また事実の伝達としてフェアと呼べるかどうかである。
なお、フィリピンの貧困が原因である「ジャパゆきさん」が厳として存在することと、その子供の認知と国籍の問題を筆者は否定するものではないが、隣国の韓国でも同様の問題が存在していて、認知されない韓国人男性とフィリピン人女性の子供「コピノ」は3万人に上るとされている。
ちなみに仁藤氏は、資金集めが上手なようであり、NPO向け集金サイト(手数料課金モデル)のジャパンギビングではJKを支援するためのシェルターを作るためとして、今年の4月29日から8月4日現在まで、すなわち100日足らずで136万7500円を集めている。
(これは参考であるが、地震後の7月に筆者が、バングラデシュと並ぶアジア最貧国ネパールを訪れたとき、首都カトマンズの広場にあった「一時住宅」の写真である。どちらかというとシェルターが必要なのはこの人達な気がする。なお最もネパール大地震の打撃が大きかったゴルカ周辺の住民によると「30万円もあれば家が一つ再建できる」ということであった)
一応断っておくと、筆者は別に韓国をこき下ろしたいわけではない。犯罪の統計については各国ごとに暗数が多かったり、また適応される罪状が違うなどするため単純比較が難しいのだが、アジアの中でも体感治安は非常にいい国で夜中に都会を歩いていても犯罪に合う心配は薄く、そこら辺の公園などで酔いつぶれた若者がちょうど日本のように寝っ転がっている。また知る限り人々も勤勉である。
(韓国は、アジアでの国内治安はおそらく日本やシンガポールの次くらいで、そのあとに台湾、中国などが続くと思われる。)
だが、外交問題や国際関係となると全くの別問題として考えるべきである。
2016年7月12日追記:この記事の発表後、張学練弁護士は、弁護士報酬の着手金について依頼者へ不当に変換しなかったことなどを理由として、東京弁護士会から懲戒処分を受けた旨が報道された。
【江藤貴紀】
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