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 台湾から那覇へのクルーズ船を利用して覚醒剤を密輸しようとした台湾籍の男6人を沖縄県警が覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕していたことが、捜査関係者への取材で分かった。沖縄地区税関は10日、うち3人を関税法違反(輸入未遂)の疑いで那覇地検に告発した。

 税関や捜査関係者によると、告発された3人は昨年12月20日、那覇新港に停泊したクルーズ船内で覚醒剤6キロ(末端価格4億2千万円)を隠し持っていた疑いがある。税関職員が発見し、連絡を受けた県警が覚醒剤取締法違反(営利目的輸入)の疑いで現行犯逮捕した。那覇市内で覚醒剤を受け取ろうとした別の3人も逮捕されており、押収された覚醒剤は計十数キロに及ぶという。

 沖縄総合事務局によると、台湾や中国からの訪日客の増加を背景に、クルーズ船の沖縄県内への寄港回数は2015年の219回から16年には387回と急増。沖縄地区税関は「職員数や港の検査施設は十分とは言えない」としており、沖縄が密輸場所として狙われている可能性もあるとみている。(小山謙太郎)