オタクの大好きなもの詰め合わせセット。 エナジードリンク。ラーメン二郎。ドギツすぎる激ヤバMV、Meishi Smile
絶妙なバランスって言うのは凄く難しいもので、バランスを保とうとすればするほど大体は「普通」になってしまったり「面白くない」という意見で埋め尽くされてしまう。
現に俺らは「一般層にも売れよう!」と意気込み、ビミョーなバランス感覚で売り出した挙句に一般層にもオタクにもサブカル小僧にも面白くないと一蹴され消えてきた山ほどのコンテンツの上に生きている。お前、「普通って何?」って訊かれたら即答できないだろ?そんなにも普通とは人の記憶に残らないんだ。
でも何かしら特化していたり極端なもので勝負してしまえば、ある種の極端なものが好きな人間、つまり「オタク」をメインに据えてしまえばある程度の需要は得られるのだ。
しかしオタクをメインに据えても、ある程度の値を超えると胸焼けが起こる。つまりガッチガチの萌えアニメだったりエロ全開お色気アニメだったりだ。
これら「味の濃すぎるもの」はさりげない日常的なアニメが好きな人などには絶対に受け入れてもらえないし嫌悪すべきものだろう。崇拝している宗教の違いってやつである。
そして今回はタイトルにもある通り オタクの好きなものを詰め合わせすぎてラーメン二郎のようになってしまったロサンゼルスの音楽プロデューサーMAYことMeishi SmileのMVだ。御託はココまで。キモいやつ、集まったか?さあオレたちの宴を始めよう。
オタクの脳味噌10000個ぐらい煮詰めたらこうなる
Meishi Smile 「LOVE ORCHESTRA」
ラーメン二郎。オタクの大好きなもの詰め合わせセット。あまりにも味付けが強すぎて一口目から胃もたれを起こしてしまうような過密さ。どこかで見かけたよなアニメキャラが水着で永遠に踊っているだけのMVだが、密度が段違い。お下劣の極み。ていうかあまりにもキツすぎて見てるこっちが恥ずかしくなってくる。キャラクターの造形も2000年代かよってツッコミ入れたくなるようなのもいてかな~りキツい。ニコニコ動画でもこんなキツいの見たことねえぞ。キツキツキツ!
そんなサブカルクソ野郎もびっくりなドギツい色彩にも関わらず、視聴者を休ませようという配慮が全く無い。これだけ下品なダンスを流しているのに曲が落ち着くところは水着姿のアイマスのキャラが殴り合うシーンと
宇宙にブッ飛んだガキ3人がダンスをしている所だけだ。
ふざけんなよ
あまりにも視聴者に親切ではないし、媚びてもいない。ただただオタクの脳味噌の中身を見せつけられているようなMV。マジで最高すぎる。あとエロいし絶対に小学生の精通を手伝っている。
しかし目をつぶって曲を聴いてみて欲しい。あれ?映像の割に普通にオシャレ。シンプル・イズ・ベストを地で行くエレクトロである。それにウィンドチャイムの音が聞こえてきたりして細かいこだわりを感じられる。
ちなみにこの曲、MaltineRecords(http://maltinerecords.cs8.biz/116.html)からアルバムごと無料ダウンロード出来る。
いや、マジでヤバない?このレベルの曲が無料なんだよ?ダウンロードするしか無いでしょ。な?
あまりにもMVの印象が濃すぎて曲の方が全然頭に入ってこないMeishi smileだが他のMVは…
「売れ線」のお手本。奇跡のMV
Meishi Smile 「ASJ」
これ、良いねェ。完璧にバランスが取れている。さっきのはなんだったんだと言いたいぐらい調和が取れている。
宇宙にブッ飛んだガキがいるという点は同じだが、デザインが完璧。オタクっぽいデザインに寄り過ぎずでも可愛らしいキャラクターだったり、ちょっとキモいけどゆるい感じのクリーチャーだったり。こりわ.....オタクくんも満点あげたくなっちゃいますねぇ。
つうか曲かわいい。ノスタルジックなメロディーとダンスミュージック的なキックという一見相反するように思える要素を見事に調和させノれるけど泣けるみたいな音に仕上がっている。
でも…さっきのと比べたら、正直インパクトが少くない?......そう。僕らオタク少年の感性はもう極端なものしか愛せなくなってしまった。
そう。オタクくんは、これじゃ満足できないよねェ?(クッソキモいオタクスマイル)
完全にこじらせた臨界オタク。正体現したね。
Meishi Smile 「Belong」
マジでいい曲。今までMVにばかり目が行っていたが、曲の方も耳が離せない。ノイズがかかりまくった攻撃的なキックに悲壮感のある短いメロディ、歪みに歪ませまくったシャウト。鬱屈の溜まったキモオタ君を殺しに来ている。
そしてMVは…
はい好き。完全に何かしらをこじらせたオタクが作ったビデオ。キャラクターで遊ぶのが大好きな性悪オタクのセンス。わけわからんけど絶対に面白そうなものを目の前にドン!と出された時の感動。インターネットに生きててよかったと心から思える。思春期オタクにはあまりにも影響を与えすぎるのではなかろうか。クラスのみんなに馴染めないオタク少年ずっと脳内でこのMVを流してるぞ。
それにこのビデオ、意味が分からないが、意味がわからないなりに「何かを暗示している」という意図がプンプン伝わってくる。
死んだ豚が
時間経過とともに消えていく。
地面に埋まった卵が
なんか気化してる。意味不明。
このおばさんこんなMVに使われんのかわいそう。
エヴァよろしく考察オタクは黙っていることができない。ありのままをありのままに受け入れない教室の隅っこにいるオタクにとってこういうひねくれたものは無視することができないのだ。これが俺らの生きる力の源泉、エナジー。(考察は考察オタクに任せたぞ!)
Meishi smileの音楽性
正直に言って、Meishi smileの曲は決してフックが強いというわけではない。本質は雰囲気を作るということに長けている。しかしそれを武器に味の濃すぎるMVに載せて、あまりにもこじらせすぎた世界観を想像させることを助長し、全世界の極端なものが好きなオタクキッズに提供しそのハートをガッチリと掴んでいることだ。
まるでラーメン二郎に群がる地獄オタクの様相を表しているかのよう。
これからもキツすぎるオタクの大好きなもの詰め合わせセットを僕ら限界オタクに提供し続けて欲しい。
最後に。90年代のオタクカルチャーから抜け出せないアダルトオタクへの救済。
そりでわ。