農協が外国人技能実習生受け入れへ 北海道 小清水町

農協が外国人技能実習生受け入れへ 北海道 小清水町
農業の担い手不足に悩む北海道小清水町で、海外からの技能実習生の受け入れ先を、農家ではなく農協とすることで、農家の作業がなくなる冬を含めて、実習生を安定的に確保する仕組みを導入することになりました。
技能実習制度は、外国人に農業など日本の高い技術を3年を限度に学んでもらう制度で、農業現場での担い手不足の緩和にもつながっています。

実習生は通常、農家が個別に受け入れているため、農地が雪に覆われる冬の北海道では作業がなくなり、帰国されてしまうケースがほとんどで、安定した受け入れが難しいのが現状です。

そこで、JAこしみずは、実習生の受け入れ先を農家ではなく農協として、雪のない時期は農作業、冬は野菜の選果や出荷の作業をしてもらうことで、実習生を安定的に確保する仕組みを導入することになりました。

農林水産省や法務省などと協議し、組合員の農地で作業をする際は農協職員が付き添うようにするなど、法律の範囲内で運用できるようにしたということで、最初のケースとして、ことし3月、ベトナムから4人を受け入れる予定です。

技能実習生の受け入れに関わる全国農業会議所によりますと、農協が実習生を受け入れるのは、平成22年の法改正で外国人技能実習制度の運用が厳格化されて以来、「全国的に聞いたことがない」ということです。

JAこしみずの眞柳正嗣参事は「担い手の確保が、今後ほかの産業との競争になる中、多角的に仕掛けていくことが今から必要になる」と話しています。