かどうかは定かではナス
ナス
なす
茄子・・・・・・
といえば、一富士・二鷹・三茄子

みなさま、本年もよろしくお願いいたします!
本日の議題
「観光名所に行くたび物凄く違和感がある」
あるのだが違和感というのは目に見えるもんでもないし「こんなの、なななななんともないんだからねっ」とスルーしてきた。
その凄まじいスルーぶりというと違和感氏(26才・メガネ男性)が「なにボーッとしてんだよッ」って言いながら私の首筋に自販機で買いたての冷たいコーラ缶をピトッて当ててくるんだけど、完全に真顔。
無。
無の境地。
で、この違和感がなにかっていうと、良さが分かんないことなんですね。良さが。
京都で金閣銀閣を見れば「きれーい」と言い
三十三間堂の仏像には「すっごーい」と言い
竜安寺の石庭には「なるほど~」と納得をかます。
その心の内では、空気を読むことを知らないミジンコの群れが焦り蠢き回っている。

「ヤバいヤバいよ」
「まじヤバい」

(みなさんが何気なく見ているこの画像にも、人の手がかかっています)
「分からん」
「ちっとも分からん」
「ぽへ〜〜〜」

建物建物建物建物建物建物建物建物建物建物建物建物建物建物建物建物
像像像像像像像像像像像像像像像像像像像像像像像像像像像像像像像像
石石石石石石石石石石石石石石石石石石石石右石石石石石石石石石石石
一つだけ右が混じってます
これら無機物のどこに趣とやらが宿っているのか、いくら目を凝らしても見つけられない。
分からない分からないと私の中の全ミジンコが総力を挙げた趣探索の準備を始める頃には、周囲の人間は「わ〜、やっぱり写真で見るより全然素敵だね〜」「来てよかった〜♪」と、趣回収をガンガンに進めていく。

ミジンコのみなさん「みんなで趣を見つけよう in京都」と題したしおりの読み合わせをしている場合ではないぞ
こいつらは所詮微生物、趣などという高尚な概念など理解できまいと悟った。
その悟りも虚しく、古都の良さを悟るほどの圧倒的成長を果たすことは叶わなかった。
良さが分からないと正直に打ち明けることをミジンコ並みのプライドが邪魔をし、「デカイね」と事実を言っているだけの感想の域に達しない発言で茶を濁す。
そうこうしてる内に、我々一向は清水寺に辿り着いた。この時期の紅葉を目当てに。
「わぁ……」「スゴ〜〜〜イ」「キレイ……!」
見晴らしの良い高度に作られたウッドデッキに立ち、どこかから微かに漂う金木犀の香りを顔面を撫でる風に感じる。
乱れた髪を撫でつけながら一呼吸入れ、そっと視線を山の端へと向けた。

紅葉だ
紅葉
赤い葉っぱがめっちゃいっぱいあるな
ここでも京都の趣を味わうには叶わず、首を傾げる。恐らく、自分には趣を理解するほど成熟していないのだろう。
趣の対象年齢が16才だとすると、私の精神はまだ・・・・・・赤ちゃん。

えぅ

だぁ~~~!
そうか?そうなのか?
ほかの人はちゃんとわかっているのか?
わかってる振りをかましてるだけで、
実はわかっていないのでは?


ミジンコの委員長・ミジンチョウ「先生!修学旅行のしおり「みんなで趣を見つけよう in京都」の読み合わせですが」

ミジンチョウ「『第5章 ホームセンターで理想のシャベルを手に入れよう』まで終わりました!」

(画像は、私が撮影したら駐車場で起きた事故の様子になってしまったチョコケーキ)
くそっ、結局葉っぱが赤くなる現象のどこが素敵なのか全然わかんねェ・・・・・・!
やるせない思いを抱えたまま坂を下ると、土産物屋の店員が試食を差し出してくる。
「こちら、良かったら是非」

モッチモッチ
少しざらついた舌触りの薄い皮、噛むたびに広がるニッキ独特のピリリとした風味、滑らかな餡の優しい甘み。八つ橋を構成するありとあらゆる要素が口内から脳に向かってビビビと信号を送ったその瞬間、私は旅中探し求めていた答えにやっとたどり着いた。
趣
まさにこれだ
うまいうまいうま
京都ってすごく良いところだよね
なんかさぁ、こう……趣があるっていうか
金閣とか派手だのなんだの言われてるけどやっぱり装飾のディティールに職人の技が光ってるっていうかパッと見でも趣、目を凝らしても趣、写真に収めても趣、逆立ちしても趣、趣の大盤振る舞い出血大セールみたいなところ、ありません?
いやセールって、そんな安いもんじゃないですけど笑 はい笑
あ、趣、もしかしてわかんない?
そっかそっかぁ~~~まあ~私もさぁ、この年になるまでわかんなかったっていうか、精神がある程度熟してやっと理解出来たっていうか
あ、考えてわかるもんでもないから理解ってのはちょっと違うか笑
正しくはこうなんつーの……肌で感じられるようになったって感じかな、うんうんそんな大したことじゃないけどおおお別に全然私なんかもう本当ミジンコみたいなものだしああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あ あ あ ああ あ あ
八つ橋、最高!一番好きな橋です!
観光名所になんの感動も覚えないくせに覚えているフリをしたことがあるもの、正直に名乗り出なさい。
現場からは以上です
謝辞
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㌧クスなんだよっ!