講談社の編集次長を逮捕 妻殺害の疑い 容疑否認

講談社の編集次長を逮捕 妻殺害の疑い 容疑否認
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出版大手の講談社で、人気漫画雑誌の編集次長を務める社員が、去年8月に東京・文京区の自宅で38歳の妻の首を圧迫して殺害したとして、殺人の疑いで逮捕されました。警視庁によりますと、調べに対して容疑を否認しているということです。
逮捕されたのは、出版大手の講談社で、人気漫画雑誌「モーニング」で編集次長を務め、東京・文京区に住む韓国籍の朴鐘顕(パク・チョンヒョン)容疑者(41)です。

警視庁の調べによりますと、朴容疑者は、去年8月に自宅で妻の※佳ナ子さん(38)の首を圧迫して殺害したとして、殺人の疑いが持たれています。警視庁によりますと、妻が自宅で倒れているのが見つかった際、朴容疑者が自宅にいて、付近の防犯カメラの映像でほかの人物が部屋に侵入した形跡がなかったことなどから、逮捕したということです。
警視庁は、夫婦の間に何らかのトラブルがあったと見て詳しい経緯を調べることにしています。

警視庁の調べに対し、朴容疑者は「間違っています。妻に手をかけるようなことはしていません」と容疑を否認しているということです。

※「ナ」は「菜」の草冠の下が「爪」でその下に「木」※

講談社コメント

講談社は「このような事態になり、大変遺憾です。本人は無実を主張しており、捜査の推移を見守りつつ、社として慎重に対処してまいります」とコメントしています。

朴容疑者とは

複数の出版関係者によりますと、朴容疑者は出版大手の講談社に平成11年に入社後、人気漫画雑誌の編集を担当してきました。これまでに、週刊の漫画雑誌「少年マガジン」の副編集長や、新たに立ち上げた雑誌「別冊少年マガジン」の初代の編集責任者を務めたほか、現在は週刊の漫画雑誌「モーニング」の編集次長を務めているということです。

このうち、「別冊少年マガジン」では、巨人と人間の戦いを描いた作品「進撃の巨人」がヒットしてアニメ化もされるなどして、社内では優秀な編集者として知られていたということです。

新聞にコラム執筆も

講談社によりますと、朴容疑者は、平成11年からおよそ18年間勤務し、現在は、週刊漫画雑誌「モーニング」の編集部で編集次長を務めているということです。

朝日新聞でコラムを月に1度程度掲載していた時期もあり、その中では「漫画や小説には多くの人物の生き様や価値観が描かれています。たくさんの子どもがたくさんの本を読んで大きくなっていけるように、魅力的な作品作りをこれからも心がけます」などと、仕事にかける思いを伝えていました。

また、コラムでは、初代の編集責任者として創刊に携わった「別冊少年マガジン」で連載を始め、その後アニメ化されるなど大ヒットした漫画「進撃の巨人」についても触れていて、「『死』がこの作品のテーマの1つと言えるでしょう。死が多く描かれていますが、『命』を軽んじているわけではありません。死があまり登場しない、ほかのヒット作品と同様に、命を大切に扱った傑作と言えるでしょう」などと記していました。

また、本人のものと見られるツイッターには、「ほんと、漫画が好きです」との書き込みほか、漫画家志望の人などに質問を呼びかけてやり取りをしていましたが、最後に更新されたのは妻が死亡するおよそ1週間前の去年8月1日でした。