01月10日 18時08分
世界遺産の、奈良市の平城宮跡を横切る近鉄奈良線について、奈良県は、景観の改善などを目的に、線路を宮跡の外に移設する方向で、近鉄と協議を始めました。
平成10年に世界遺産に登録された奈良市の平城宮跡は、広さが、およそ130ヘクタールあり、国営公園として整備が進められています。
一方、およそ100年前に開通した近鉄奈良線は、平城宮跡の発掘調査の前に線路が敷かれ、現在は、宮跡を横切っています。
奈良県は、宮跡を保護するとともに、景観を改善する必要があるとして、先月から線路の移設に向けて本格的な検討を始めました。
具体的には、平城宮跡の西側にある大和西大寺駅から、宮跡を横切る区間を含む近鉄奈良駅までのおよそ4キロのルートをずらし、宮跡の南側を通る通称「大宮通り」に沿うルートに、う回させることを想定しているということです。
また、高架や地下に線路を敷設して、踏切をなくし、道路の渋滞解消もめざすとしていて、県は、今年度中にも必要な事業費などの課題を調査し、移設の実現可能性を探ることにしています。
奈良県は、「まずは、調査を進め、ほかの移設ルートの可能性も含めて検討していきたい」としています。
一方、近鉄は、「移設が決定したわけではありませんが、今後も奈良県の調査に協力していきます」としています。
平城宮跡の近所に住む60代の男性は、「宮跡の真ん中を電車が通るのは見栄え的にもよくないと思います。早くなんとかしてほしいです。移設され、渋滞緩和につながるのならいいことだと思います」と話していました。
また、20代の女性は、「高校生の時に新大宮駅を利用していましたが踏切でいつも長時間、待たされていました。車の渋滞もあるので、移設されて踏切がなくなるならいいと思います」と話していました。
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