安倍晋三首相は10日午前、首相官邸で東京都の小池百合子知事と会談した。小池氏は2020年東京五輪・パラリンピックの経費負担について、首相に国の協力を要請。首相は一定の理解を示した。今夏の都議選も話題になり、小池氏は都政改革への理解を求めた。会談後、小池氏は記者団に「オールジャパンで協力し、大会を成功に導くよう確認した」と述べた。
首相は小池氏との会談に先立って、7日に都内の私邸で組織委の森喜朗会長(元首相)と会談した。10日の会談で小池氏から国による費用負担を要望され、小池氏によると首相は「国としても連携したい」と応じた。
小池氏が都議会の最大会派の自民党と主導権争いを演じる都政に関しても意見交換した。小池氏は「東京大改革を進めるため都議会に理解ある人が多数ほしい」と伝えた。公明党など他会派との連携を模索し、夏の都議選で自身の政治塾などから40人規模の候補擁立を検討する。
東京五輪の開催経費について、組織委は昨年末に総額1.6兆~1.8兆円と示した。このうち5千億円を組織委が、残る1.1兆~1.3兆円を都や国などが負担する。現時点で明らかな国の負担は、総工費約1490億円の新国立競技場の建設費用くらいだ。
総経費を項目別でみると、会場関係など「ハード」が6800億円、輸送や警備など「ソフト」が8200億円。資材高騰などに備えた「予備費」は1000億~3000億円となる。
とくに、大会後に取り壊す「仮設施設」は組織委、大会後も活用する「恒久施設」は自治体としていた負担の割り振りは見直される見通し。仮設でも自治体の負担が生じれば反発が予想される。
大会前後に営業を中止・制限される民間事業者への補償なども詳細に検討していない。暑さ・集中豪雨への本格的な対策もこれからで、今後さらに経費が膨らむ可能性も指摘される。
他の大会と比べると、12年ロンドン大会の総経費は2.1兆円、16年リオデジャネイロ大会は1.3兆円程度とみられている。